日ごとに若草色に染まっていく山の姿から、

芽吹きのチカラを感じるころ。

菜の花の鮮やかな黄色に、目と心がとまります。

春の花は黄色から始まるようです。

 

 

父母と双子の私の片割れの3人が眠る場所を訪れたときのこと。

ウグイスの声が聞こえてきました。

 

そこで思い出したのは…

父と40年以上、親交のある方から昨年の暮れに聞いたお話です。

 

 

年を取るたびに、

人を見送ることが増えてくる。

今年も、仲の良かった同級生が

逝ってしもうた。

ワシはそれを知らんかった。

気の張ることが続いていたワシに、ソイツが逝ったことをみんな黙っていた。

 

ソイツが逝ったことを聞いて、

島にあるソイツの家へ

お参りに行こうと車で向かった。

 

橋を渡ったら、バサバサと大きく響く鳥の羽音が聞こえた。

ビックリして車を道のわきに止めて窓を開けると

見たこともない綺麗な羽色の小鳥が

車の中に入ってきた。

 

そして、ワシの膝の上にちょこんと止まった。

丸い可愛らしい目で、ワシをじっと見る。

 

ワシはソイツが出迎えに来てくれたんだと

すぐに分かった。

 

「おう、迎えに来てくれたんか。

これから行くぞ」

そう言って手を差し伸べると、手に止まった。

 

しばらく手に乗せて話をしたのち、

「ありがとう。またな」

と窓を全開にして外に飛ばそうとしても、

なかなか飛んで行かない。

 

「ありがとうな。また逢おうで」

離れがたい気持ちをこらえて、見送った。

 

鳥に姿を変えて来てくれたことがうれしゅうて、うれしゅうて。

不思議なこともあるもんじゃなぁ…。

 

 

目を潤ませながら話してくださいました。

あふれる涙をこらえきれずに聞きました。

 

小鳥に姿を変えて思いを伝えに来た友。

逢いたかったんだろうな

ありがとうって言いたかったんだろうな

逢えてよかった、と言いたかったんだろうな…

いろんなことを思いました。

 

そして、こんなに強く友達に思ってもらえる優しい人に長い間、仲良くしてもらった父は幸せだったな、とも思いました。

 

 

今年が始まって、4カ月が経とうとしています。

また来年、桜を見ることができるかな

どんな気持ちで見るのかな

誰かと心が通い合う日々を過ごしているかな

 

 

祖父や父が汗を流した畑に花の苗を植えながら

そんなことを思った春の一日です。