鉢植えの椿が咲きました。
3年前、挿し木をした小さな枝。



親戚の「お母さん」のお見舞いに行った際、
病室の一輪挿しにありました。

ご主人が、自宅の庭から持って来られたひと枝。

「自分が挿した木が大きくなるのは嬉しい。庭からちょっと切って生ける楽しみもできるよ。挿し木で増やしてね」と「お母さん」から託されました。

逢うたび、「お母さん」のユーモアに富んだ言葉に魅せられていました。
丁寧な暮らしに教わることも
多くありました。

病室で逢うこの日が最後だと知りながらの
時間。
花の生け方、着物の着付けなど、病床にありながらも教えてくださいました。

そして…
「年寄りの申し出を断ってはいけないよ。なぜなら、老いても人の役に立っているという気持ちが支えになるのだから」

「介護する者の声も大切だけど、介護される者の声も大切。私は元気になったら講演して歩きますよ!」

忘れられない言葉も受け取りました。

大事に持ち帰った椿の小枝。
家に帰って、まず一輪挿しに。
教わった通りの土に挿し、毎日、水やりをして根付いたときの静かな喜び。

蕾が開いたのは最後に逢った3年前と同じ日。
託された想いを、「お母さん」と花の命を、つなぐことができたように思います。
「ありがとうね」と椿に話しかけています。