政教分離と古い神社 | blogでGO! GO!! ~ヘタっぴなblog~

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相模原市にある某市の施設に視察に行った。広大な敷地だったんだけど、最後の最後に、そこの所長さんが、敷地の外れにある神社に連れて行ってくれた。施設の建設当初に、工事の安全とか、安全な施設運用とかを祈念して建てたんだろう。

ちゃんと神様が祀ってあるとのことで、わざわざ地元にあった石を奈良の神社まで持って行って、そこで神様を分けてもらってきたらしい。石が安置されているという。

でも、社は朽ち果てていた。建物はボロボロで、もう、柱も折れて、壁も崩れて、何とか神社としての形跡が残っているのは、傾いた鳥居くらいのもの。

「政教分離になったでしょ。だから、直したくても市としてはお金を出せない。かといって、神様だから、勝手に壊すこともできないから、ずぅっと、このまんまになっている。今じゃ、壊すお金だって理由がつけられないから、どうにもならない」

そういうことも、あるのだなあと思った。意外と、こういうケースってあるのかもしれない。

所長さんは、毎日、「申し訳ないねぇ」と言いながら御参りをしているらしい。

一緒にいた課長さんが「かつては必要とされて市が作った施設。でも今は政教分離。時代に合わなくなったから施設を廃止する。そういうことなら、充分、理由は立つだろう。お金もおりるのではないか。神様にはお帰り頂いて、社は撤去。やれるんじゃないか」と話されていた。

所長さんも、自分の目が黒いうちに何とかしてやりたいと頷かれた。「こういう現状を、少しでも多くの人に見てもらいたかった。神様も今日は喜んでいるだろう」

時代に取り残された古い神社。そして、無宗教と言われながらも、やっぱり「神様」
を意識して生きている日本人。何となく、感慨深い想いで神社を眺めながら、施設を後にした。