<美しい夜、残酷な朝> ホラー・スリラー・恐ろしや~(ネタバレあり) | ラブラブ室長!メロメロ「美しき日々」!!+韓国ドラマ通信

<美しい夜、残酷な朝> ホラー・スリラー・恐ろしや~(ネタバレあり)

テーマ:美しい夜 残酷な朝、イ・ビョンホン、長谷川京子、渡部篤郎


日本篇、韓国篇、香港篇の三篇からなる美と戦慄の幻想トリロジー。
何から始まるのかと思いきや、トップバッターは香港篇「dumplings」(どうも餃子という意味のよう)。


全体の感想から言って、これが一番シンプルでストレートに怖かった!
美にかける女の恐ろしい執念。
ちょっとだけなら見たり聞いたりして知っているかもの香港に対するイメージの、暗くて深い闇の部分をすごく拡大して見せられたような怖さがありました。


取り壊し寸前のような九龍の古い高層アパートの一室。(←多分ね)
怪しげな雰囲気が漂うその部屋を、人目を忍んだ訪ねてくる客たち。


この映画で私は一つ学びました。
普段ドアップで見ないようなものをドアップで見せられるとそれだけで怖い。
民俗調の人形しかり、包丁しかり。
だってその包丁が刻んでるものがさらに××なんだもの・・・


ラスト近く、闇の商売やってた女の天秤棒かついでるシーンは、特別な意味が込められてるんだろうなーと思いながら見てました。
天秤の片方が良識を表しているのなら、もう片方は人間の欲望ってとこかな。


この映画のせいで餃子を食べるのが怖くなったという人が出てこないことを祈る。



お次は長谷川京子、渡部篤郎出演の日本編「box」。
雪原の風景に代表される映像は印象的で美しく、また人の心の奥底を刺激するような本能的な怖さを呼び覚ます女の子二人が絡みついたポ

ーズも忘れられないのですが。
ですがあっ。


この二人、もっと聞き取りやすく話せんのかいっ!
演技上演出上そういうふうな発音の仕方はやむを得ないのかもしれませんが、セリフを聞き取るのに苦労したぞ。
日本語のくせに、字幕である他の二編に比べて、セリフを理解するのに苦労を強いられるとはどういうことだ。
ボソボソと話すような印象は残しつつ、客の耳までしっかり声を届かせろ。
お願いしますだ。


ストーリーの方ですが、夢と現実が交差しつつ、結局全部夢だった? みたいな。
夢オチかよ! というような。(笑)
ひねりが効き過ぎてるんだか、制作者の意図が空回り気味なのか、判断がつけられない。


んでも結局あのポーズは最後に明かされるあの事実に繋がっていたわけで・・・
これはこれでいいのかな。



オオトリは我らがイ・ビョンホン様主演、韓国篇「cut」。
前の二編を見た後で、久々に(つっても昨日オールイン見たんだけど/笑)ビョンホン様のお姿お声存在感に触れますと、本当にほっとして「知ってるところに帰って来た~」と随分気持ちが和みました。(笑)


ストーリーから言ったら全然安堵や安心感なんて無縁なんですけどね。
それぐらいたくさんビョンホン様のこと見てるし近くに感じてるってことかな。(←そう思っている人が日本中にどれだけいることだろう)


この映画ではビョンホン様、映画監督やってます。
その豪邸に押し入る監禁犯の言葉を借りれば、監督は「金持ちでハンサムで高学歴」。


でもなぜか鼻の頭が日焼けのせいか剥けています。(何のためにこのメイク?)
それとかなり痩せてる? ビョンホン様、このとき。
顔のラインがいつもと違って見えました。


んーと、これはもう見てください。
ゴムで腰を縛られ、動きが制限されているビョンホン様は、表情でそのときそのときの心情を見事に表現します。


ん。
チラシに書いてある「衝撃! イ・ビョンホンが見せた禁断のマル秘パフォーマンス」とはあれのことだな。
今回はぎりぎりのところで出さなかったけど。
それにしてもビョンホン様にはコメディー映画の法則というものがついて回っているのだろうか?
コメディータッチの映画のときは結構出してる印象あるもんね、アレ。


とにもかくにも。
この映画で描いている人間の恐ろしさというものは、吸血鬼のように人の生き血をすする人でも、自分が殺し損ねた息子を他人に始末させようとする人でもなくて、善人のような顔をしながら障害を一つ一つ排除していく人だってこと!?
悪意という意識がないから恐ろしいってか?