SF好きです。
んでね、ファンタジーも同じくらい好きです。
ここの線引きは難しいところね

剣と魔法が出てこなきゃファンタジーじゃない、なんて狭くない。

そのことを教えてくれたのがこのお話でした。

「黒龍とお茶を」R.A マカヴォイ著


黒龍は文字通り黒い龍なんです。名前はウーロン。あの、ウーロン茶のウーロン。中国の龍です。
ウーロンは名前を変えて姿も変えて、人間のおじさんとして、アメリカ本土のとあるホテルに住んでます。

彼は、マーサというフィドル弾きのおばさんと運命の出会いをし、事件に巻き込まれたマーサの娘を救い出す手伝いをすることになります。

出てくるのは、コンピュータ・座禅・初老の男女。

おじさん(英語名ではロング氏です。ロング=ロン=龍ね)が、昔々龍だった、という設定がなければ、ごくフツーのサスペンス。変身するわけでなし、火を噴くわけでもない。ただ、ありえないくらい長い指(グラスを1周しそうな指)を持ってるだけの、小柄なおじさん。どっちかってゆーと、強くもない。
おじさんは龍だった頃に出会った、達磨大師にもらった一言を胸に抱いて、ながーい時間を生きてきたんです。いわく、私は君に道を示すことはできない。
道を示してくれる誰かを待ってたの。それがマーサ。座禅を組むフィドル弾き。

この二人の会話がとてもとてもラヴリーで、物語に引き込まれます。これは翻訳家が素晴らしいんでしょう。マーサの愛らしさと、ロング氏の知的さ・奥深さが余すところなく表現されています。


もしかしたら絶版かも?
マカヴォイのお話は他に、「魔法の歌」3部作
「ナズュレットの書」シリーズ
があります。


魔法の歌もねえ、ちょっとびっくりなので。これはまた後日。

楽しいことマミレなんだもーん☆-51GqxE5MWCL._SL500_.jpg

今見て思い出した。
この表紙のイラストレーター、後藤&加藤コンビも好きだったなあ。
てなわけで、ダーコーヴァも好きそれもまた後日。