好きな本は「銀色の恋人」。これは私の中で揺るぎない玉座の1冊ですが、思わず唸った作家は彼です。

テッド・チャン


あまり邦訳の出版がないんですが、訳してくれないんじゃなくてもともと寡作の人のようです。


「あなたの人生の物語」という、中短編集がありまして、これを読んでKO喰らいました。発想のバラエティの豊かさ。主題に関する知識の深さ。読者を引き込む力量。もう圧巻。

表題作の「あなたの人生の物語」は、地球にやってきた地球外生命体と意志疎通を図るために政府から派遣された言語学者が、彼らの思考形態を把握し、彼らの文字に習熟するにつれて未来の出来事がわかるようになっていった、という話。
「あなた」は言語学者の女性が、将来産む自分の娘のことです。私は日本語でしか読んでないけど、これ、どんな英語なんだろうなあ、て興味をそそられる。翻訳も素敵です。読後しばらくは感化されてしまってました。


天使の主題の話もあるけど、かなりショックを受けますよ。事象としての天使。大きな羽根がある綺麗な宗教画に出てくるあの天使ではありませんし、起きる奇跡も仰天ものです。

アメリカにはSFの賞がいくつもあります。その中でも大きなものが、ヒューゴー賞とローカス賞、ネビュラ賞。この本の収録作殆どがどれか、あるいは複数を受賞しています。
これを取ってる作品にハズレはないので、安心してどっぷりはまれますよん。


ただのSFじゃない、ジャンルを超えてアッパーなセンスに浸りたいときのお供に。

楽しいことマミレなんだもーん☆-51191C0153L.jpg