中学生、高校生になると、本も読み出し、
図書館や書店へ行くのは好きだった。
そのころ、哲学や心理学、人生論、処世論に
惹かれていくのは自然なことだった。
なかでも、本のタイトルや帯や目次に
「在る」
「be,being」
という言葉が記されたものに
自然と手は伸びた。
身体がそっちへ
行きたがっていた。
身体が求めていた。
「する、為す」
「do,doing」
との対称性を認識するばするほど
「在る」
「be,being」
という言葉に惹かれていった。
それは安心感、安堵だった。
ただ1冊の本のタイトルに
その言葉があるだけで
安心感が胸の奥に滲んでくるのを感じていた。