私は21年前からエステティシャンやボディワークのセラピストの仕事をしていますが、
この仕事につく前からマッサージを人にしたり、
してもらったりが日常でした。
バレーボールをしていた事も影響して。
スポーツのケアとして、マッサージをするので。
農家で昔からバリキャリ祖母にも
マッサージをしていました。
たくましく鍛え上げられた筋肉がすごい。
性格は、控え目で大人しいタイプだから、
余計にスゴく感じる。
当時20代の私でも
梅やみかんの農作業の手伝い中、
どれだけ助けられてきたか。
重たいコンテナをもって、山の傾斜を降りるとき、
私は「ぎゃーーー」
と滑り落ちていったら、
グッと私は片手で持ち支えて、助けてくれたり
蛇が出て、おば(祖母の娘)が、
「ぎゃーーー」と大騒ぎで逃げいくけど
祖母は、首を一撃でしとめる。
そんな
スーパーおばあちゃん。
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祖母も年を重ね
農業もおしまいに。
独り暮らしも大変になり
今は私の両親と同居して
母がお世話、介護中。
その過程で
祖母の身体もどんどん細くなっていった。
あんなにたくましかった筋肉。
今は骨を撫でるように、マッサージ。
これまでは
マニキュアを塗ったり
メイクアップしたり
フェイシャルエステしたり
顔剃りしたり
なども
色々やらせて貰ってきた。
「ソシオエステの練習させてくれる?」
とお願いすると
なんだか嬉しそうだったな。
私が帰って横に座るだけで
「今日もしてくれるんか?」
と言うようになった時は
「あ~少しは楽しみにしてくれてるんだ」
と、
常に人を優先して遠慮がちで、
遠慮しすぎて本音が全く分からない祖母だけど、
やって欲しいことをやって欲しいと言って貰える信頼関係が少し築けた嬉しさを感じた。
それから年月が過ぎていって
もうこの1年くらいは
寝ている時間が長くなってきて、
「マッサージ、今日はどう?」
と言っても、
「……しんどい…」(←声にはなっていない)
と。
ベッドの中で出来ることを
少しやる程度で、終わる。
ほんとうは、
腰から下がしびれているし、
背中から重たくおおってくるのがしんどいから
やって欲しいんだろうけれど
寝た状態から動くのがしんどいし、
眠りたいということ。
それでも
胸骨を触れて
ゆるめていくと
はぁぁぁぁ~~
…………気持ちいいぃ…
と、深いタメ息が出てくる。
この「気持ちいい」という声は
私には聴こえているけれど
祖母本人の耳には聞こえていない。
(耳がとおくて、自分の声が聞こえない)
ありがとう。
役に立たせてくれて。
毎日痛みもあるし
毎日しんどいし
そんな中、
気持ちいい一瞬を
過ごしてくれて
ありがとう。
その姿を
見せてくれて
ありがとう。
こういうことを
祖母から教えて貰う度に
どちらが助けて貰っているのか
どちらのケアなのか
どちらの欲求を満たして貰っているのか
それを
考えさせられる。
ケアとは
そういうものなんだと思う。