カフェ・エッシャー(札幌市中央区)
札幌駅と大通公園をはさんで、ちょうど真ん中あたり。
雑居ビルの地下1階、お世辞にも目立つとは言えない場所に、
カフェ・エッシャーはある。
当時働いていたオフィスから近く、週1回は通った記憶がある。
お客が20人も来れば たちまちいっぱいになってしまうような、
ごく小さな店だ。
でも、お昼時にはいつだって、
お客が列を作って、メニューとにらめっこしながら待っている。
お店の名前こそ「カフェ」だけれど、
(そして勿論、とても美味しいコーヒーが飲めるけれど)
大半の客のお目当ては、看板メニューのカレー。
昨今流行りの東南アジア風やスープカレー風ではなく、
ごくごくオーソドックスな、素敵に美味しい欧風カレーだ。
黒っぽい色のルーは、
「ルー」というより「ソース」のような濃く深い味わい。
食後、オフィスに戻るなり、
「ランチ、エッシャー行ったでしょう」
と当てられてしまうくらい、特徴的なスパイスの香りがする。
一番人気は「茄子とひき肉のカレー」だが、
私のお気に入りは、「茸とコロッケのカレー」だった。
薄切りした椎茸の香りのついた濃厚なルーをからめて食べるコロッケが、
たまらなく美味しかったのだ。
その後、札幌を離れて数年経つが、
たまに帰省する時には
「エッシャーに寄ってカレーを食べる」
これが必須になっている。
私にとって
ひいきの、そして思い出の、大好きなお店だ。