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(フィナンシャル?タイムズ 2011年9月26日初出 翻訳gooニュース) 東京=ミュア?ディッキー

アメリカとイギリスで最高税率をめぐる激しい議論が交わされる中、日本の当局は、静かにさりげなく金持ちから金を搾り取るという、別のやり方を選んだようだ。

日本の高額所得者はすでに、最高限界税率50%もの所得税を課せられている。イギリスではこの水準に、多くの保守党議員が猛反対しているのだが。しかし日本政府は、3月11日の津波で壊滅的な被害を受けた被災地の復興をまかなうため、富裕層に更なる臨時増税を計画している。

復興増税が実現するまでには、まだまだ政治的な山を越えなくてはならない。しかし日本の政策決定者たちは、最も富裕な層への増税を実現しようとするオバマ米大統領に浴びせられているような、「階級闘争」の批判だけは免れている。

日本の復興増税案にも所得再配分の側面はあるが、それは本文ではなく注の部分に着実に埋め込んである。政府は所得税について一律5.5%の上乗せを提案したが、低所得者層の標準的な納税額は控除で減額されるので、実質的な増税分を負担するのは富裕層ということになる。

政府税制調査会によると、子供2人で働き手が1人、年収は中央値に近い500万円という世帯の場合、5.5%増税による負担増は年間4300円にすぎないという。しかし同じ家族構成で年収が1000万になると、負担増は3万6700円。年収1億円の世帯は184万円の負担増になるという。

つまり臨時増税は、富裕層の税率がここ数十年間ずっと下がり続けてきた日本において、ささやかながら重要な転換点となるかもしれない。

とはいえ、驚くべき大転換ではないはずだ。かつて日本人は自分たちが「一億層中流」の国を作ったことを自慢していたが、平均賃金が減り続け、就労形態が臨時 ナイキ SB 用や契約雇用にシフトしていったせいで、サラリーマンは「終身雇用」で守られているという戦後の夢はほぼ打ち砕かれてしまった。

中道左派の民主党が2009年に権力を握った要因のひとつは、所得の不平等に対する懸念だった。主要な政策論議といえば、「締め付けられる中間所得層」の負担軽減にばかり集中していて、どうすれば金持ち優遇を通じて「富の創造者たち」を増やせるかという検討はあまりない。

日本では往々にして、最富裕層の納税額が不当に少ないという意見もある。2009年には当時の鳩山由紀夫首相が、資産家の母親から6年間にもらっていた約10億円相当の資産について必要な税金を払っていなかったと発覚。そのせいで、「金持ちは税金を払っていない」というイメージがいっそう強くなった。

鳩山氏はその後、延滞した税金を何億円も納めた。しかし一部については時効が成立していたため、優しい当局はその分を還付している。

金持ちの納税者は、一時的な増税についてあまり大騒ぎしない方がいい。津波被災地のための復興増税は日本の税制をほんの少しいじるだけだ。日本の税制は国内総生産(GDP)の17%相当しか徴収していない。これは先進国の中では最低水準だ。東北の人たちは大震災に遭いながら実に毅然としていたと世界中に称えられた。その人たちを支援するための増税に反対しようものなら、悪趣味と言われてしまうはずだ。

富裕層に増税すれば、所得水準に関わらず全国民が運命共同体なのだという国民的認識が強まるだろう。これは増税を支持する強力な理由のひとつだ。

というのも日本はまだ幸いにして、アメリカやイギリスのような問題を抱えていないからだ。アメリカでは、一般市民が立ち入りできない犯罪多発地区が一部の都市を台無しにしている。そしてイギリスでは今年の夏、暴動が各地に広がった。こうした現象は日本ではまだ起きていない。

野田佳彦首相は今月、中流階級からこぼれ落ちる人々の「あきらめはやがて失望に、そして怒りへと変わり、 日本社会の安定が根底から崩れかねません」と述べ、社会の安定は保証されたものではないという認識を示した。

景気回復が失速してしまう懸念ゆえに臨時増税は少なくとも先送りされるだろう——。最高税率を払う納税者の多くは未だにそう期待しているはずだ。しかし日本の暗い財政動向を見れば、全体的な増税はほとんど避けようがない。

金持ちにもっと払わせる計画は、これでおしまいにはならない。


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(翻訳?加藤祐子)

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