NHK Eテレ「Rの法則」や「社会のトビラ」を担当する、NHK制作局 第一制作センター 青少年?教育番組部チーフ?プロデューサーの桑山裕明氏。教育番組を制作するため毎週のように学校を訪ね、たくさんの授業を見る中で、「こんな先生に教えてほしい」と思うことがあるという。今回は、和歌山県のZa先生の総合的な学習の授業をご紹介いただいた。
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小学6年生の授業で、身近な自然環境を考えるために、田んぼの再生に取り組みました。そこは、「田んぼ水族館」と呼ばれる休耕田を借りて作った自然学習のための施設で、どろんこ遊びをしたり生き物と触れ合ったりできるみんなの自慢の場所でした。しかし、台風によってたくさんの土砂が流れ込んでしまったのです。 モンスターディディビーツ レブロン13 回のプロジェクトは、環境を元通りにして、「田んぼ水族館」を復活させようというものです。
クラスでは、グループに分かれて計画を立てました。ここで、子どもたちの間で、田んぼに生えているコガマという植物の扱いについて意見がぶつかりました。「コガマが密集している場所で、株と株の間にゴミや泥がたまり、陸地化がすすんでいる。コガマは全部抜いてしまうべき」という意見と、「コガマは、トンボがとまったり、生き物の卵が孵化(ふか)したりする場所として必要」という意見です。
そこで先生は、理科の授業で学んだことを思い出させます。
? → 仮説 → 計画 → 実験 → 記録 → 結果 → 考察
「?」は、仮にコガマを抜く場合の工程です。そこで、どんな抜き方があるのかを具体的にしていきます。「端から抜く」「ゴミがたまったところを抜く」という意見が出されると、先生は、どのくらいの量を抜くか? どんな抜き方をするか? と細かく質問を重ねていきます。そのうちに、子どもたちは、コガマが生えている場所にも陸地化している部分もあれば、生き物の住みかになっているところもあるということに気が付きます。コガマが見方次第で、良いものにも悪いものにもなることを知るのです。
壁にぶつかり、たくさんの人と話し、さまざまな意見に耳を傾けながら、多様な視点を知って自分の考えをまとめていく経験をする……その機会を作ることこそ、総合的な学習の本来の意図であるように思います。