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(フットボールチャンネル)

「赤い悪魔たちが勝ってくれたら盛大に鐘を鳴らす!」

 この国での代表チームの報道には、いつもほんわかとした愛情を感じるが、切羽詰まったアルゼンチンとの準々決勝戦を前にしても、それは変わらない。

 報道は、いかに国の人々がこの一戦に興奮しているか、そして1986年大会以来、ベルギーサッカー史上2度目のベスト4入りなるかどうか、という期待感で溢れている。

 フランス語系日刊紙の主要紙『Le Soir』は、この試合が行われる5日土曜日、街のいたるところでサッカーの影響が出ることをレポートしている。

 18時キックオフということで、家でのテレビ観戦組も多いことから、レストランは閑古鳥になることが予想される。

「この夜の商売はあがったり。ちょうど夕飯時のキックオフだし、試合後は食事よりもカフェや街頭で祝勝会するだろうからね」。チェーンレストランの責任者はそう語る一方で、「でも、デビルズの活躍は本当にありがたい。カフェ業界はずいぶん潤ったよ」と恨み節はない。

 夏のセールまっただ中だが、試合を見るために早めにショッピングを切り上げるお客が多いため、「スタッフも試合が見たいだろうし、お客はどうせ来ないのだから」と、いつもより早く店じまいすることを決めている店も多い。

 映画館は、今日に限らず、W杯開催中は客足が激減しているという。しかし、主要映画館チェーンの広報担当者は、「文句は言えません。映画館の客足が途絶えているということは、デビルズが活躍している証拠ですからね」とデビルズ優先だ。

その他、教会のミサも中止に。ある教会の司祭は、「赤い悪魔たちが勝ってくれたら盛大に鐘を鳴らす!」と意気込んでいる。

勝っても負けてもお祭り騒ぎ

 また、ちょうどアルゼンチン戦の時間帯に結婚式をする予定になっていたカップルは、180人の招待客のために、披露宴会場にスクリーンを設置することに決めたそうだ。「そちらばかりに気をとられても困りますが…」とのことだが、実に粋なはからいだ。

 リエージュ市では、アルゼンチン戦が終わった後から、市内を車両通行止めにすることを決定した。「サポーターが街へ繰り出してお祭り騒ぎをするのは大歓迎ですが、安全だけはKD7 底しなくてはなりませんから」というのが警察側が出したコメントだ。

 とにかく、土曜日の夜は、ベルギー国中が『fete』(フェット)―お祭り―になる。勝っても負けても、勝てば祝勝会、負ければ残念会、ということで、いずれにしてもベルギーの人たちは今宵、今大会でのレッドデビルたちの奮闘に祝杯を上げる。

 また、ブリュッセル市は凱旋パレードのために、市内の目抜き通りを解放することを提案したらしい。首都のブリュッセルでは、中心地のグランプラスという広場や国立スタジアムが恒例の祝勝会スポットだが、「そこではとても観衆を収納しきれないので」街頭パレードを企画しているとのこと。ここまで来たら、あとはいつ帰ってきても歓待、ということなのだろう。

 また、約1100万人と人口が少ない国だけに、国外のサッカーファンも味方につけてしまおう!というユニークな企画も立ち上がっている。

『Belgiumize me!』 (ベルギマイズ?ミー! ベルギー化しよう!)なるもので、ウェブサイトを開くと、「自国代表が敗退したからって、まだまだブラジル大会は終わっていません。さあ、今度はベルギー化して、一緒に応援しませんか?」と呼びかけているのだが、自分の名前を書き込むと、ベルギー風の名前に変換してくれるので、それをツイッターなどでシェアして仲間意識を広めよう、というものだ。

 ちなみに筆者(Yukiko Ogawa)のベルギー名は「Yvette Ochin」であった。御丁寧に音声ファイルも作動し、正しい発音まで教えてくれる。この名前をもらったら、もうあなたもベルギーサポ。興味がある方は以下のサイトでお試しを【http://www.belgiumizeme.be】。

指揮官を悩ます3つのポジション

 さて、こんなお国柄どおりほのぼのムードのベルギーだが、肝心のピッチ上の準備状況もきっちり伝えている。

 国内で最大規模のスポーツ紙『Derniere Heure』は、ウィルモッツ監督のアルゼンチン戦対策について分析している。彼が頭を悩ませているメンバー選考が次の3ポジション。

(1)フェライニかデフールか。

 デフールは累積警告による欠場から復帰。マンマークを徹底するならそれに長けているならデフールだが、メッシ対策について指揮官は「特別なミッションにはなるが、チーム全体で取り組むつもり。

 彼は一対一を破るなんてお手の物なのだからかえって無駄だ。それよりも、スペースをタイトにすることが大切」と自陣の戦術を大きく変更する気はないと明言している。しかしフェライニでは、身長差のミスマッチが逆に相手に有利になる懸念もあり、結論を出しかねている。

(2)ルカクか、オルジか。

 ルカクは前2戦で計30分しかプレーしておらず、121分出場したオルジよりも体力的に余裕がある。

(3)メルテンスかミララスか。

 今大会、好調のメルテンスだが、好不調の波が大きく、しかも先発よりも途中出場のときのほうが良い結果を出しているため、出場時間がまだ少なく疲労度の少ないミララスをディ?マリアとマッチアップさせるべく先発させる案が有力と見られている。

選手たちには過剰な警戒なし

 またウィルモッツ監督は、フェルトンゲン(内転筋)、アルデルヴァイレルト(腿)、デンベレ(腿)の3人が、出場は可能な状況ながら、コンディションは微妙であると、前日会見で明かしている。

 そして報道の中心はやはり、4度バロンドールに輝いているリオネル?メッシをいかに攻略するか。ベルギーは過去にも、82年大会、86年大会と2度、マラドーナ擁するアルゼンチンとぶつかり、1度目は勝利をあげているが、86年はまさに彼らに決勝進出を阻止された。

 ウィルモッツ監督は「アルゼンチンはメッシだけのチームではない」と語る。

「アルゼンチンには敬意をもって臨むけれど、過剰に畏怖することはない」(フェライニ)、「アルゼンチンにはメッシがいるが、俺たちにはアザールがいる」(ミララス)、「僕らはアルゼンチンと対戦するのであって、メッシと戦うわけではない」(デブライネ)と、選手達も過剰な警戒はしていない。

 今大会活躍の光るファン?ブイテンは、所属するバイエルンのグアルディオラ監督から受け取った『君たちの可能性を信じている。勝利の鍵は、相手がどれだけ強いかではなく、自分たちの持てる力に完全に集中することだ。自分の可能性をとことん信じて戦え』というメッセージをチームメイトたちとシェアしたそうだ。

 勝っても負けてもヒーローのデビルズたち。ベルギーからの大声援を背に、熱のこもったパフォーマンスを見せてくれることだろう。