戯けた顔で空を掴みながら1人の道化があらわれ云う
「真実を知りたい?
それはとても高慢なことだね
あなただって あなた自身の本当を知らないのに
誰彼を問いただし責めたいのなら
神様か独裁者にでもなったらいい
それでも真実を知りたいんなら
片羽で飛んでみることだね
張りぼてでも 生まれつきでも
片羽でうまく飛べたら
あなたの求める真実が手に入る
例え地面へ落ちても
真実が身に沁みてわかるだろうさ
僕が知った真実はね
赤い涙が出るほどに痛くて笑えるってこと!」
片羽の道化が次々にあらわれる
空を掴みながら
町並みを模した張りぼての中へ迷い込んでいく
高層ビルの張りぼてへ次第に集まり
頂上へ登っていく
頂上には飛び降り台があって
皆笑顔でそこから飛び降りていく
下には落ちるもの達によって
染まる色がそれぞれに違う
不思議なプールが用意され
決して死ぬことはない
落ちて染まった身体で
張りぼての町へ跡をつけながら
ふらふらと彷徨い消えていく
「小屋の外でも みる人たちだ」
観客の1人の少年が悲しそうな顔をして言った
花売りはそんな少年の表情を見つけ
七色のポップコーンの花束を与えにいき
にっこり笑い話しかけた
「みんな演じているんだよ
小屋の外の人たちもきっとね
いつか君も何かを演じるかもしれないよ
全部が悲しいことではないから
怖がることはない
いまなら世界の色んな演目から選び放題さ
ポップコーンの花売りなんてオススメだよ!」
少年はくすくすと笑い
明るい表情を取り戻した
1人の片羽道化がくるくると舞い飛び
染まることなく地面に降り立った
喝采を博し片羽道化の演目はフィナーレを迎えた