ブラチーノの冒険 2/11 その一 | Эта музыка будет вечной - この歌は永遠に続く

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大好きなロシアのロックを毎日せっせと訳しています。リクエストも受け付けますので歌詞を知りたいロシア語曲がありましたらお気軽に!

タルコフスキー監督作品「惑星ソラリス」を見返したんですが、
ソラリスのクリスパパとブラチーノのパパ・カルロが同じ人だとは
とても信じられませんサーシャです。俳優ばすごかー。
余談ですがソラリスのクリス役の俳優さんとニコライさんは
親子設定なのに実年齢が4歳しか違いませんでした。
そしてさらに余談ですがクリスもブラチーノも声は別の俳優さんの吹き替えです、
ロシア映画ではよくあることよくあること。
この俳優を使いたいけど声だけイメージ違うの!ってことなのか?


クリスパパでパパ・カルロのニコライさんについて比較画像つきで語ろうかと思ってましたが、
比較画像キャプるのめんどいんでやっぱりブラチーノをもう少し進めときましょう。


「パパ・カルロはブラチーノに歩き方を教え、学校に通わせるべく教科書を買ってきます」



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長い鼻がくるくる巻き上がっているブラチーノをしげしげと眺めて、
「鼻が長すぎるかな?」とパパ・カルロはのみをかざすが、
ブラチーノはいやがって顔を背け、手で鼻をまっすぐに伸ばします。

ピノッキオオリジナルでは嘘をつくと鼻が伸びましたが、
ブラチーノの冒険ではその設定が取っ払われてます。
むしろ長い鼻はブラチーノのお気に入り、チャームポイントです。

「さて、お前に何ができるか見てみようか」とパパ・カルロ。
ブラチーノが自分で作業机から椅子に飛び降りてみせると感嘆し、
「もう一回!」と床を示す。
ちゃんと床に降りられたブラチーノに、
「こうするんだ。いち、に」と自ら実演しながら歩き方を教える。
「うまいぞぼうや!」
そのまま走り始めようとするブラチーノの頭を押さえて「ストップ!」
床に膝をついてブラチーノと目線の高さを揃えてから、
「お前は学校に行かなきゃいけないよ?」
パパ・カルロの仕草がいちいち優しいのがとてもいい。
「学校に行くなら読み書きの本がいるな……読み書きの本か……」と呟きながら部屋を見回して、
ドア近くにかかっていた自分のジャケットを取り上げる。
「家にいなさい。すぐに帰ってくるからね。」
従順に頷くブラチーノ。パパ・カルロいったん退場。

ピノッキオオリジナルだとジェッペット父さんはかなり怒りっぽく書かれていて、
制作中に人形の目が動いて自分を見ていると知ると、
「しゃくにさわったらしく、おこった口調でいいました。
『この木のくされ目玉め、なぜわしをじろじろ見るんだ?』」(岩波少年文庫)
しかしブラチーノ原作の同じシーンでは、
「カルロは驚いた様子も見せず、ただ優しく訊ねました。
『木の目玉よ、何だってそう変な目つきでわしを見るんだい?』」
ずいぶん柔和ですね。
プトゥシコでもアニメでもこの1975年版でも、
パパ・カルロは息子に甘くて体罰など絶対にしなさそうな優しい老人です。

ピノッキオオリジナルでもブラチーノ原作でも、
歩き方を覚えるなり人形は外に逃げ出してしまい、
捕まえようとしたパパが逆に警察にとっ捕まりますが、
上記の映像化三本すべてでそのシーンがはしょられます。
ブラチーノは家にとどまり、
パパ・カルロは息子のために食べ物と教科書を買うべく外出する。

1939年のプトゥシコ版パパ・カルロ。
photo:01


1959年のイワン・イワノフ=ワノ版パパ・カルロ。
photo:02


製作過程が楽しいのはプトゥシコ版がダントツかと。
いろいろ試行錯誤中なのですが画像サイズはこれくらいがちょうどいいかな?


保存し忘れて書きかけの記事を消去してしまい心折れたのでいったんここまで。
次回、2/11の続きです。
「喋るコオロギはブラチーノに賢い忠告をします」