(主にウサギの科白がところどころヒアリングできなくてやむなくすっ飛ばしたりもしましたが、原作のロシア語訳をカンニングしまくりましたのでまあ何とかなっているのではないかと。)
ミルンさんの原作と照らし合わせつつディズニープーさんと見比べてみるとより楽しめるかも知れないロシアンプーさんヴィーニィ・プーフ。
どちらもおおまかな内容は原作のエピソードに忠実で科白もだいたい同じなのに何故こうも違うかと。
(ただしヴィーニィ・プーフにはクリストファー・ロビンは登場せずその代わりにコブタのピタチョークが出ずっぱり。)
(ピタチョークすんごく可愛いから出番多くてたいへん嬉しい。)
(どうでもいいけど「クリストファー」と来るとつい「リー」とつなげたくなる。)
Винни-Пух идет в гости/ヴィーニィ・プーフ、お客になる
00:28
「第二章でヴィーニィ・プーフはお客になって、にっちもさっちもいかない羽目に陥ります。」
00:36
ある朝、朝ごはんはとっくに食べ終わり、昼ごはんのことはまだ思いも寄らない時間帯、ヴィーニィ・プーフは友達のピタチョークと一緒にのんびりお散歩していました。新しい歌を作りながら。
00:53
-いや、違うな。
違う違う
01:08
-お客になりに行かないかい?
-お客に?
-ああ、ふと思いついたんだ。お客になって何か食べさせてもらおう。
-朝からお客になりたい人ってだあれ?
-朝からお客になりたい人は・・・・・・たらん・ぱらん、ぱらん・たらん。
(ヴィーニィ・プーフとピタチョークの歌)
朝からお客になりたいのは
賢く立ち回れる人さ
みんな知ってる たらん・ぱらん
朝が一番! 朝が一番!
-僕達どこに行くの?
-君んちさ、もちろん。
(ヴィーニィ・プーフとピタチョークの歌)
夜のお客はつまんない
ご主人さまはあくびばかり
でも朝行けば平気さ
眠くならない! 眠くならない!
-君んち、何か食べるものある?
-うちにはもういっこ風船があるよ。
-駄目だ。君んちはやめておこう。お客になっても食べ物がないんじゃね。
-じゃあ君んちに行こうか。
(ヴィーニィ・プーフとピタチョークの歌)
朝からお客に行けば
慌てることなんかない
ご主人さまは叫ぶよ ばんざいって
すっごく喜ぶ すっごく喜ぶ!
-待ってくれ。僕んちじゃ僕はお客になれないぞ。
-どうしよう? プーフ! 思いついたよ、誰かんちに行こう!
(ヴィーニィ・プーフとピタチョークの歌)
お日さまがいつも朝に登って
僕たちを訪ねてくれるのにはわけがあるのさ
たらん・ぱらん たらん・ぱらん
お客さんは朝来てくださいね
たらん・ぱらん たらん・ぱらん
お客さんは朝来てくださいね
02:40
-さてと。僕の考えが正しければ、穴、これすなわち巣穴だ。
-うんうん。
-つまりウサギの家なんだ。
-うんうん。
-ウサギはうってつけの仲間だ。うってつけの仲間ってのはね、僕らにごちそうしてくれるものなんだよ。
02:58
-おーい! 誰かいるかい?
訊いてるんだぞ? 誰かいるかい?
-いません!
03:08
-怒鳴らなくてもいいでしょう。聞こえていますよ。
-すみません! 本当に誰もいないんですか?
-誰もいません!
03:22
-ありえない! 誰かが言ったはずなんだ、誰もいませんって。
ウサギ! 君じゃないのかい?
-私ではありません!
-じゃあ教えてください。ウサギはどこに行ったんですか?
-彼は友達のヴィーニィ・プーフのところに行きました。
-それって僕だよ!
-僕とは誰のことですか? 誰しも「僕」と自称しうるのです!
-僕は僕だよ、ヴィーニィ・プーフさ!
-本気でそう思ってるんですか?
-そりゃもちろん!
03:58
-なるほど。ヴィーニィ・プーフですね。で、こちらは?
-ピタチョークだよ。
-まさしくピタチョーク。いいでしょう。お入りなさい。
04:09
-そこに書いてあるでしょう。「足を拭いてください」と。
-あーしーをーふーいーてー・・・・・・了解。お客になるのも面倒なものだな。
よし、行こう。大切なのはね、何も期待していないふりをすることなんだ。
-うんうん。
4:32
-やあ、ウサギ! 僕達たまたま通りかかったんだ。
04:51
-ちょうどそばを通ってね。ふと思いついたんだよ、挨拶しないとなって、ウサギにね。
04:58
プーフは早くもそわそわし始めました。
ウサギはとても賢かったので、急かされるまでもなく何かしらごちそうするべきだと気が付きました。
05:07
-洗面台はそちらですよ。
05:23
-パンに何を塗りますか? 蜂蜜? それとも練乳?
-君はどっちがいい? 両方ちょうだい! パンはいらないよ!
06:25
-じゃあ行こっか?
-すぐに席を立ってはいけない。お客はそういうことしちゃ駄目なんだ。
06:37
-行かれますか?
-そうするよ。もう時間だ。さよなら。またね。本当にありがとう。
-本当にありがとう。
-いえいえ、ごきげんよう。もう召し上がっていかれないのでしたら・・・・・・。
-てことはまだなんかあるのかい?
君、急いでる?
-ううん、金曜日は一日中お休みだよ!
-よし、わかった。もうしばらくお邪魔しよう。
07:08
彼らはもうしばらくお邪魔しました。
そのあとももうしばらく。
さらにもうしばらく。
そして、ああ! とうとう何もなくなってしまったのです。
その時になってプーフは、大切な用事があったのをようやく思い出しました。
-時間だ。
あ、でももちろん、もっとお邪魔してってもいいんだったら・・・・・・。
-いいえ! じ、実を言うと私も出かけるところでして!
-そうなの。じゃあ僕らは行くよ。さよなら。
-またね。
-ごきげんよう。
-ありがとう。
-お礼など。どういたしまして。
-元気でね。
-お元気で!
-またね。
-さようなら。
-ありがとう。ほんとありがとう。
-嬉しいですね!
-じゃあ行くね。
08:01
-あれ? 下がったほうがいいな。
進んだほうがいいかも。
や、下がらないと。
助けて、助けて! おーい!
-ヴィーニィ! ヴィーニィ!
-助けて! 助けて!
-ヴィーニィ! どうしたの?
-助けて! 助けて!
-まさか! あなた、詰まっちゃったんですか!?
-いや、ちょっと休んでるだけだよ。
-いいから手を出しなさい! 手伝ってください! ピタチョーク!
-うん!
-痛い痛い!
-これではっきりしました! 彼は詰まってしまったのです!
-ドアが狭すぎるからいけないんだよ!
-違います! 誰かさんが食べすぎたからいけないんです!
-どうしたらいいの?
-どうもこうも! 痩せるまで待たなくてはなりません!
-長いあいだ?
-一週間!
-何だって?
-最低でも一週間です!
09:02
-僕、痩せたみたい。今すぐここから引っ張り出してくれ!
09:16
お客になってからというものヴィーニィ・プーフは、あんまり長いあいだ居座っちゃいけないんだな、と考えるようになりました。にっちもさっちもいかない羽目には陥りたくありませんからね。ところでウサギがどう思ったのか、それは誰も知りません。何故ならウサギはとっても礼儀正しいので。
(ヴィーニィ・プーフとピタチョークの歌)
ヴィーニー・プーフが
いるっていいよね
だから歌うよ
大声上げて
何やったって問題じゃない
僕を痩せさせたくなかったら
痩せさせたくないんだったら
もちろんそうだよね ね!
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他作品を貶めるような言い方はできれば避けたいのだが、ヴィーニィ・プーフのウサギが躾の行き届いたきれい好きさんなのはもしかしたらディズニープーさんあっての設定なのではないかと勘ぐってしまう。
や、ディズニープーさんのもはや破壊的な食い散らかしかたがどうにもアレで、ヴィーニィ・プーフのスタッフのみなさんも見るに見かねて、「そいつぁやりすぎだぜプーさんよう! 人様んちなんだからちっとはお行儀よくしろや! ウサギ、ファイッ!」と思ったんじゃないかなー、と。なー。
それにしても穴にはまっちゃってもごもごしてるヴィーニィ・プーフが可愛すぎる。もふって顔をうずめたい!