今日の感謝は、おおいみつるさんという人が書いた天風さんの小説「ヨーガに生きる」で、天風さんが師匠の元、ヒマラヤの山の麓で得た悟り過程を読んだことである。

天風さんは19世紀後半から20世紀前半に生きた精神的な指導者で若かりし頃はエネルギー余って持て余すほどだったが、結核を病んでのち、その苦しみの中で方々を旅して、このヨーガの師匠に出会うのである。

滝壺で瞑想をしているときに、その轟音が気に触る天風さんは師匠にそれを愚痴ると、その中で地の声、天の声を聞けると教えられ試行錯誤する。

数ヶ月集中すると、それまで滝の轟音だけと思っていたところに鳥の囀りが聞こえるようになる。それは、聞こうと息んでるときではなく、聞こうというつもりで、あとは瞑想にいつも通り集中していたら聞こえたという。こうして聞こえるようになった鳥の囀りや蝉の鳴き声が、地の声である。

天の声は、さらに時間がかかるが、鳥のさえずりにも滝の音にも惑わされず、心が周りの環境から解放され、心が周囲と一体になったときに聞こえるものである。それは音なき声で静寂なんだという。

そしてそこに心を預け入れると、人間の生命は本来の面目を取りもどし、命の中に秘められた本然の力が勃然として顔を出すという。そして、それが本当の人間の姿であり、当然あるべき姿なのだと。

ビックデータ、情報社会の時代にあっても、なお聞こうとするものには、天の声が聞こえるはずだ。それも簡単に…。難しいと考えず簡単と思えば簡単なはずなのである。

示唆深い天風さんの経験書に出会えて、またこの本を手渡してくれた、自身も病と長年向き合ってきた母に感謝である。天風さん、お母さん、ありがとう。