君が人生の時
6/26 18:30

V6ファンの友達から誘われての観劇。
まったく予習していかなかったので、最初は「どこ?」「いつ?」という背景を把握するのにちょっと手間取りました。
外国オリジナルの戯曲は、私の歴史や地理の知識が乏しいせいもあって、そのあたり少しハードルがありますね。

坂本くんが主役なのでしょうが、ほとんど舞台の上手側から動かない(動けない)役でしたので、ファンの人には座席によって不満が出そうだなぁと心配してしまいました(余計なお世話か)
でも特に贔屓の役者がいなかった私としては、通路上がりの後方センター席から全体を観られて楽しかったです。
というのも、話の舞台が場末のダイナーなのですが、メインキャスト(坂本くん、すみかちゃん)以外にも多くの人がそこに滞在していたり、出入りしたりして群像劇のような雰囲気もあったので、全体が観られたほうが楽しめる作品だったからです。
あと、そのダイナーのセットがとても細かくて、後方センターから眺めるととても美しかったです。オペラグラスでも見ちゃいましたけどね(笑)

ストーリーとしては特に大きな事件は起こらず、どちらかというと淡々と過ぎていく感じです。
戦争の色がまだ残っている時代。
教育レベルが低く経済的にも貧しい人々が、そんな時代に翻弄されつつも「自分の価値観」を守って、あるいは「わずかな希望」にしがみついて生きている。
正しいとか間違っているとかじゃなくて、ただ「幸せになりたい」と思っている。

とても難しい、商業演劇として取り上げるにはなかなか勇気がいるホン(脚本)だなぁと思いました。
役者さんが上手じゃないと耐えられないかも。
そういう意味で、よい役者さんを揃えたなぁ……というのがトータル的な感想かな(笑)

 

イヌの仇討
7/6 18:30

忠臣蔵のサイドストーリー(?)大石に討ち入りされた吉良さん側のお話です。
上に書いた「君が人生の時」とは違って、忠臣蔵の知識がある日本人なので(こういう知識っていつの間に入ってくるんでしょうねw)予習せずとも話の背景はすんなり判りました。

こちらの作品もセットが変わらなくて、出演者の殆どが舞台に出ずっぱりです。
よい役者が揃っているのも同じ。
ただ、私としては脚本はこちらの方が好きですね。

2時間の上演時間、リアルタイムで時間が流れていくような作りになっていて、息詰まる中にも笑いがあったり、考えさせられる部分があったり、ガツンと驚かされたり。
舞台上には一切出てこないのに、大石内蔵助がものすごい存在感だったり。
大変に面白く、計算された上手い脚本だなぁと思いました。さすが井上ひさしさん、ということでしょうか。

忠臣蔵に関しては、吉良さん側から見た話なども聞いたり読んだりしたことはありますし、討ち入りされている吉良家のお隣の屋敷のお話なんていうのもありますよね(歌舞伎で観ました)
だから、途中までは「吉良さんにしたらそうだよね」「うんうん、わかるよ」って思いながら観ていたのですが、最後の最後、吉良さんの決意とかその理由とかには驚かされてしまいました。
そう来たか……そう来るのか……と。

なんというか、現代でも通じると思うんですが、マスコミとか世間の噂とかによって操作されているものの、恐ろしさもひしひしと感じました。
一方的じゃなくバランスよく判断するためには、吉良さんのようなよく観察する目、豊富な知識、理論的に考える頭脳が必要なんだろうなぁ。
しかし残念ながら、私はそこらへんで討ち入りの有り無しに賭けている町民レベルなんだろうなぁ……とほほ。

側室役のゆみこちゃんがとても美しかったです。
ほとんどの場面で座っているので、最後に立った時の背の高さにびっくりしたけどね(*^^*)