千秋楽公演を観てきました。

ハードな公演だったので無事に全日程が終わってよかったという安堵の気持ちと、これだけ準備して稽古して努力して作り上げても短期間で終わってしまうのかという虚無感と、そんなものをズルズルと引き摺っています。
夏希さんの頭の中はもうすっかりCHICAGOでしょうけど。

千秋楽の舞台は、疲労はピークだったと思いますが、コツをつかめてきたのか夏希さんのダンスは安定しているように見えました。
一番あわあわしてたのは1幕でアンドリにガバッと抱きしめられた時だったかも。
ずっと女主人に振られていたアンドリ、ついに実力行使に出ましたよっ!
ベルばらでアンドレ(あ、名前一緒だ!フランス語かスペイン語かの違いだけw)に抱きしめられてジタバタもがいてるオスカル状態になっていたアナさん……というか夏希さん。その後、めっちゃガード固かったです(笑)

でもアンドリってアナさん一途なわけじゃないんですよね、モニカにも薫さんにも粉かけてるし。
闘牛士ベンジャミンよりよっぽど女たらし。
どうよ、そう思わないかい?そこの弟くん(笑)

1幕で大貫くん以外の全員がフリーに踊るところ(位置は決まっているけどそれぞれの振りは自由っぽかった)
夏希さんは前方センターでアルバロと絡んでサパテアード踏んでることが多かったけど、たまに膝でファルダ(スカート)蹴り上げるのとか、背中を反らして頭頂を中心にしてくるんと体を回すのとか、モニカがやっている「フラメンコらしい」技に色々とトライしていて、その向上心の高さに感心しました。

でも、そんな難しいダンスに挑戦しながらも、決して独りよがりには踊らないのが夏希さん。
体の動きはもちろん、首の角度、視線の落としかた投げかた流しかた、無表情と笑顔の切り替え、マントンの巻き方にいたるまで、常に客席からの見え方を意識して効果的に見えるようにしているんですよね。
あらためて夏希さんの舞台センスの素晴らしさを感じる公演でした。

にしても、夏希さんの存在感がいつも以上に大きかったなぁ。
強すぎて、圧倒されて、立ち竦む……今の私はそんな状態だったりします。
今回は単純に「ああ終わっちゃった」ていう寂寥感だけじゃなくて、そういう自信喪失とか自己嫌悪とかの気持ちがもやもやしていて。
なんでしょうね、これ。

カーテンコールで「半年前に初めてフラメンコを習ったときにあまりに難しくて、この公演の日が来るのか怖くて」と涙声で語っていた夏希さん。
同年代でこんなに全力投球で頑張っている方がいるのに、仕事休んで客席でそれをぼおーっと眺めている自分は何なんだろうか?これでいいのだろうか?と思ってもやもや。

充実感と喜びで子供みたいにはしゃいでいたキャストの皆さん。
夏希さんはアンドリにジャケットひらひらされて闘牛ごっこしてました←おふざけにのる夏希さんってとても珍しい気がします。
それを微笑ましく見ながらも「青春だなぁ、うらやましいなぁ。私、泣くほど頑張ったのっていつのことだったっけ?」みたいな思いも沸いてきて。

夏希さんの舞台は元気や勇気をもらえるけど、同時に自分の至らなさを思い知らされて落ち込んだりもするのですよね。
アンビバレンツ。

せめて少しは「私はこれ頑張ってる!」というものを作らないと、夏希さんのファンでいる資格が無いような気がする。
どうしよう?付いていけるかな……振り切られたくは無いけど……

自分を律することが出来る人間になりたい。
じゃないと顔を上げて付いていけない。
そんな存在だわ。

もがく夏です。