夏希さん不在中の浮気(笑)第一弾。

特定の役者さんが目当てってわけじゃないので浮気相手はいないけどね。

強いて言えば麻実さんと常盤さんとケラさんか(え)


客席の男性率が多かったのが印象的です。

でも作品は女性が観る方が面白い・・・というかズキズキくると思うなぁ。


タイトル通り「家族たち」の物語。

親子、夫婦、姉妹の物語。

母と娘、父と息子、母と息子、父と娘、夫と妻、姉と妹、従姉と従弟、義兄と義妹・・・他にあったかな。

登場人物たちを通して「家族っていいよね神話」が笑いの中で粉々にされていく。


ある程度の年齢の人間なら、観ている誰もが何かしら「ああわかる」っていう部分があるんじゃないかな。

だから決して楽しい話じゃないのに、なんとなく滑稽で切なくて笑ってしまうんだろうね。

「親は子供を平等に可愛がるものだと思ってたけど?」

「そんなことあるわけないでしょ」

真実なんだろうけどキツイよなぁ、と自分と弟に対する親の態度を思い返してみたりした(あはははは)


私はここまで毒のある親を持っているわけじゃないし、家族は仲良い方だと思いますけど。

でも母を持つ娘でもあり、妹ではないけど弟のいる長女で、夫を持つ妻でもあって、何がきっかけで破たんするかわからないんよなぁとも思う。

ただ、もし破たんしそうなことがあったら、そうならないように努力するのが無駄とは思わない。

でも自己が崩壊するまで努力する必要は無い。

それが私の感覚だなぁ、と観終わったあとに冷静に自己分析←


15分休憩が2回入る3部構成っていうのは珍しいですね。

緊張は途切れるけど、それよりも神経が焼き切れるのを防止するタイミングって感じ?(苦笑)

そういうことも含めてきちんと計算された脚本と演出。

セットも音響も照明も良かったなぁ。


役者さんは誰が特にって挙げられないほど、本当にどの人もそれぞれが登場人物として息づいていた。

ターコさんは迫力と毒と可愛さと哀れさ・・・愛したいのに愛せないお母さん。胸を掻き毟られるようでした。

常盤さんは前回観たのがマクベス夫人だったので全然イメージ違ってびっくり(笑)

退団後初めて観たキムちゃんも、明るい物言いの中に母親との関係に苦しんだ過去がのぞく難しい役をきっちり演じてて素敵でした。


年齢や性別や生い立ちによって、観る視点が変わるような舞台だと思う。

私はちょうど三姉妹と同年代だけど、もう少し年取ったらまた感じ方が変わるのかもしれない。

その頃にまた観てみたい気もする。

この作品に対峙する気力と体力があれば、ね(笑)