7/30(木) 14:00、19:00
7/31(金) 13:30
サンケイホールブリーゼ

名古屋、福岡は行けなかったので10日振りの新版・義経千本桜でした。
とってもスピーディになった印象……なのに終演時刻は延びてる、なんで!?(@_@)

サンケイホールブリーゼは花道が無いため、キャストが客席を通る演出がありました。
1部の権太&平吉の登場シーンと、2部で弁慶・義経とのやりとりのあとに若葉の内侍が立ち去るシーン。
夏希さんの客席降りはありませんでした。

作品全体として、やはり花道があった方が奥行きが出て良かったなぁと思いました。
3人が違う方向へ歩き去るシーンは特に花道の効果を感じましたし、だから内侍は客席から去る演出になったのでしょう。
まぁ、劇場の仕様ですから仕方ないですけどね。

大阪では、朝方殿への黒子さん(←小金吾役の村瀬くんだったそうです)へのアドリブがパワーアップ!
7/30夜はまず陶器の壺が出てきて「あれ、順序を間違えた?」と思いきや、次に出てきた酒盃には何故かチキンが乗っていた!!
7/31の大千秋楽にはピコピコハンマーと、巨大鉄アレイ←ビニール製の浮き輪。

義経&弁慶の方に顔を向けている朝方殿より先に、その背後の巨大鉄アレイが目に入ってしまった義経様。
耐えきれず笑っていらっしゃいました(笑)

ここぞとばかりに「よーしーつーねー!よーしーつねー!」と攻める朝方殿。
さらに「油断するな、べーんけーい!べーんけーい!ひじー」←自分の肘を見せる朝方殿。
主従ともども大千秋楽の洗礼を受けてらっしゃいました(笑)

それでも鼓を見て「これは?」という夏希さんの台詞をきっかけに、すぐシリアスに立て直すのはさすが!
これは知盛様にも言えることで、渡海屋のシーン、あの小笠原くんの美声が響いた途端にコメディ→シリアスに鮮やかに切り替わるのが大好きでした。

大千秋楽は、頼朝からの義経へのプレッシャーが増加……清水さんの演技が粘度を増してました。
最初の「頼朝公の遣いとして詮議しに来た」語り部からして、義経様への距離をかなり詰めてましたね。
それ故に頑なに兄に会うことを拒み、いざ会ってしまうと揺らぐ心を必死に抑えている義経様の哀れさも増し(マジで過去に何されたんだか)、その己を貫く姿に孤高の美と儚さを感じました。
そうして義経様が追い詰められれば追い詰められるほど、その魂を包みこむ弁慶の大きさが際立つし、最高にドラマチックになったと思います。
ビバ千秋楽!

そうそう、頼朝に追い詰められて逃げるときに義経を庇いながら「お行きなさい」って弁慶が言ったのってアドリブなんだろか?
東京でな無かったように思うんだけど。
もぉねぇ、この一言で義経ちゃん(←ついにちゃん付け)の弱々しさと、弁慶の逞しさがアップしてキュン度が急上昇でしたよ(萌え~!)



カーテンコールでは、清水さんから各キャスト紹介がありました。
それぞれへの思いも語る清水さんに、かつての雪組千秋楽を思い出したりして(笑)

夏希さんに関しては「初の女性主役で、失礼ながら体力がもつか怪我をしないかと恐怖心もありました。でも稽古場でそんな心配を跳ね返すパワーで応えてくれたし、うちの若手にも沢山のアドバイスを頂きました。この人で本当に良かったと思います」と清水さん。
夏希さんもウンウンと頷きながら聞かれてました。

夏希さんから客席への挨拶は
「どんなに過酷なお稽古をしても、観に来てくださる方がいないと意味はが無いんです。私たちはお客さまに観ていただかないと生きていけない生き物なんです(笑)」
そして、千秋楽に来た人だけでなく「初日から観に来ていただいた全ての方に」と、お礼を述べてらっしゃいました。
夏希さんらしいなぁ(*^^*)

感極まって挨拶中に泣いてしまった岳くんとか、一足早く楽を終えて客席から観て感動していた聖也くんとか、ピュアな若者たち。
サカケンさん、武藤さんという実力派のベテランさんたち。
本当に素敵なカンパニーだというのが伝わってくる舞台でした。
馬場くんは「もっと成長して水さん義経を120%で支えられるようになる」と宣言してくれたし、ほんとこのメンバーでもう一度観たいですね。