上演が発表された時、キャスト陣が魅力的で「ぜひ観に行きたいっ!」と思った作品。
4月に剛くん主演の「二都物語」も観に行きましたが、こちらは舞台を古代日本っぽい架空の国に置き換えたものでした。
今回のを観て、やはり原作通りの背景の方がしっくり来るなぁと思いましたね。
剛くんのは、設定を架空国にしたせいでその状況を説明をする必要がありました。
でも原作通りの今回は、フランス革命時のパリとロンドンが舞台・・・
たいていの観客は詳しい説明が無くても判りますから、状況を理解することに頭を使わず登場人物の心の動きを追えるというわけです。
もちろん剛くん版を観ていたおかげで、余計にすんなり理解できたという部分もあると思いますが。
もともとストーリーを知ってて観に行ったくせにこう言うのは何ですが、自己犠牲って嫌いです(笑)
(ちなみに私が最初にこの話を知ったのは大地真央さんのサヨナラ公演です^^)
自己犠牲ってなんとなくナルシシズム感じません?自己満足というか。
あと名誉の死とかも嫌いです
私は「死んで花実が咲くものか!」派なのですよ(←そんな一派あるんか?)
だから少し不安に思いながら観に行ったのですが、ラストシーンでは美しいなぁ~としみじみ思いながら観ていました。
それは「自己犠牲」を前面に押し出さなかった演出のおかげだと思います。
単純なお涙ちょうだい物にせずに、ひとりの男の生き様を描いていたから
投げやりな人生を送っていた男が、生きがいを得て放蕩三昧だった生活から抜けだし、それを守るために行動した・・・そんな話になっていたから。
そして勿論キャストの実力も大きいです。
芳雄くんは以前から技術的には上手なものの、一方で「何をやっても芳雄くんだよなぁ」って感じがしていたのですが、今回は演技の幅がすっごく広くなったなぁと思いました。
芳雄くんじゃ無くてシドニーだった。
最後の歌とその表情・・・星空の中に浮かぶような姿が本当に美しかったです。
その他、浦井くんもさとしさんも福井さんも・・・出てくる人すべてが存在感あって、的確な演技で素晴らしかった。
今井キーヨ氏はやっぱり良い人役が似合うなぁ、イイ声だなぁとウットリ(←声フェチです/笑)
岡さんは歌の上手さにあらためて感動、あの高音の伸びと安定感はダントツ・・・お願い二枚目もやって!!(←最近キワモノしか観てない気がする/爆)
そして、めぐさん!!
すっごい良かったーーーーーー!
私もしかしたら、めぐさん観たの今回が初めてかもしれない、初めてかな?初めて?初めてだよね?初めてだよ!(組レポ。風←)
1幕でおとなしく編み物している時から、なんか違うのよね。醸し出しているものが怖いし(^^;
そして2幕で爆発してからが、もう荒れれば荒れるほど哀れで・・・そういう生き方しか出来なかったのが切なかった。
ストーリー的にはマダム・ドファルジュってヒロイン・ルーシーの対比になる役だと思う。
ふたりとも同じように公爵によって家族を奪われた女性だけれど、復讐に生きたマダムと愛に生きたルーシーという意味で。
だからヒロインがもう少し・・・ね、めぐさんに対抗出来る人だったらさらに良かったかもしれない。
マダムが赤い悪魔ならば、ルーシーは白い聖母って感じが出たら鮮やかな対比になったと思うの。
スタイルはいいし綺麗だったけど、色々と乏しくて残念でした。
「お人形のように」っていう形容がぴったりだなって思ったよ・・・違う意味で(^^;
一方でアンサンブルキャストでありながら印象的だったのが、お針子役の保泉さん!
ラストシーンが「美しい」と思えたのってこの人(と芳雄くん)のおかげだと思う。
決して特別じゃない普通の娘、善良で不運な娘・・・誰もがなり得る、いわば観客に一番近い存在。
それをとても丁寧に演じてて、観ていてシドニーの言葉に一緒に浄化されていくような気がしました。
重いお話ですが、笑いもあるし音楽が美しいのでツラさは全く無かったです。
好きな作品のひとつになりました。
芳雄くんと浦井くんの役替わり公演とかあったらいいのになぁ~とつい思ったのは、ヅカ商法に洗脳されているからでしょうか(笑)