ゲリラ豪雨に当たりましたが開演には無事に間に合いました。
下北沢に数ある劇場のうちいくつかは行ったことがありますが、その代表とも言うべき本多劇場はこれが初めて。
前列との段差があって観やすいけどなかなか貫禄のある座席でした。隣席の人が動くと揺れる揺れる( ̄▽ ̄;)実はちょっと酔いかけた←

休憩15分含め三時間半のストレートプレイ。
寝不足気味で心配でしたが、なかなか面白く飽きることなく楽しめました。

何が面白いって誰ひとり好きな登場人物がいないっていうね(爆)
全員がどこかしらイヤな部分のある人たちばかり。最初はまともかと思った人もあとから欠点が暴露されるので、意図した設定なんでしょう。
その嫌悪の度合いには差があるんですけどね。ちょっとそれはどうよ?って人から、説教したい程度、怒っちゃう程度、ひっぱたきたい人、ぶん殴りたい最低野郎まで(苦笑)

三姉妹を中心とした話なんだけど、同じ家族の物語なのに先週観まくった作品との真逆っぷりがまた可笑しくて。
あっちは血のつながらない姉妹たち、悪人いない、ミュージカルショー。
こちらは血のつながった(故に葛藤もある)姉妹たち、良い人いない、ストプレ。

そして、そのどっちもを楽しめる自分自身も可笑しかった(^-^;
人間て果てしないねぇ(オーロラ口調)

あ、そうだ、共通点ありました。
パフォーマンスの質の高さ!
どの役者もハイレベル。これは両作品に言えますね。
だからこそどちらも楽しめたというのは間違いないです。

あと見終わって前向きになれるのも同じかな。
TATTOOみたいにスカッとスッキリー!という前向きさじゃなくて、モヤモヤも残るんだけど(苦笑)
どこか安堵して「ま、生きてくか」という気持ちになってる…そんな感じ。
たぶんそれは、自分のイヤな部分、わかってても直せない欠点を許されたような気がするから。
みんなちょっとズルかったり、意地っぱりだったり、欲深かったり、臆病だったり、ルーズだったり…それでも、許しあい譲りあい生きてるってあらためて気付かされたから。

あ、短所は直す努力はします!
なのでこれからも宜しくお願いします(←友人たちに私信(^^;)

映像が多用されてたのも印象的でした。
プロジェクションマッピングって呼ばれるものだと思うんですが、実際の建物(この場合はセット)に映像を重ねるような演出もありましたね。
確かに効果的だったし、いまどきの舞台演劇で映像を使うのは当たり前になってきているんだなぁ(レミゼ新演出版もそうですよね)とは思いつつも、説明を字幕で映すのは舞台演劇的に邪道なんじゃないかと、私の頑なな部分がブツブツ言っとります(苦笑)
これで演者が下手っぴだったりしたらそれこそ「映像で誤魔化すなバカ!」ってなったかも。
実際には映像より生身の演者さんの方が断然惹きつけられるものを見せてくださったので大丈夫だったんですけどね。

技術の進化は当然だし、それによる変化も仕方ないし、必要なものもあると思う。
(例えば危険な舞台装置の移動を昔堅気に人力でやれとは思わないし、コンピューター制御は当然必要だと思う)
ただ、舞台演劇っていうのは観客もわざわざ足を運んで行くわけだし、演者も毎回のコンディションや緊張と戦うわけで、やっぱりそのライブ感こそが真髄だと思うんです。
その時、その場所にしか無い奇跡。
舞台演劇における映像使用ってどこまでが妥当なのかなぁ?なんてぼんやり思ったりもしたのでした。