やっと観に行ってきました、新演出版!

2階の最前列だったのでステージ上の石畳風の模様が綺麗に見えました。
教会の窓から斜めに差し込む光(と窓枠の影)とか、トリコロール色の照明とかも美しかった。

旧演出版との大きな違いとしては「盆がまわらない」「セットがリアル」「左右の花道を使う」「映像を多用」というところでしょうか。
それによって、観劇初心者の方にも判りやすい作りになっていたんじゃないかと思います。
想像力が少なくても判りやすいよう一般大衆化した、と言いますか。
大きな劇場で、たくさんの観客が観に来る作品ですからそれもアリだとは思います。
ただ、旧演出版ファンだった者、そして舞台演劇が大好きな者からすると物足りなさが残ったのも確かかな。

舞台なんてどうしたって虚構なんだから観客の想像力に頼らざるを得ない部分はあるわけで、舞台ファンはそこも含めて楽しんでいると思うんですよね。
演出家が我々観客に対して何を暗示し、何を想像するのを求めているのか、そんなことを探りながら観るのも楽しいわけです。
それなのに舞台の背景を映像にして、想像させる余地もなく「はい、ここは川ですよ」「ここは下水道ですよ」「移動してますよ」と見せられると「それなら映画でいいじゃん!」って気になってしまうのは私だけでしょうか(^^;

その一方で、判りやすくするのなら逆に何で?と思ったのが、年代と場所の表示をやめたこと。
あれは残しておいた方がわかりやすくないかな?
実際、幕間に「映画を観て無かったら時が経ったことが判らなかったかも」と言っている人がいました。

あ、映画と言えば、やっぱりすごい影響力だったんですね。
「映画良かったねぇ」「舞台はやっぱりちょっと違うって感じ」「ああ、舞台ってそういうもんだよねぇ」とか…
「すごいと思う。映画の世界をよくここまで舞台にしたなぁって思った」とか…
そんな声が聞こえてきました。

いやいや違うからっ!もともとが舞台だからっ!!←と何度胸の内でツッコミ入れたか(^^;


キャストは初見の人も多くて新鮮でした。
バルジャンは福井さんの予定だったのが吉原さんになりましたけど、大柄な方なんですね。
囚人のときの髪型もワイルドだし、新演出のせいなのか粗野で乱暴者な雰囲気が強く出ていたように思います。だからこそ改心した時の変化が鮮やかですね。
(あの、仮出獄証をビリビリに破り捨てて宙にまくところが無くなったのはとっても残念^^;)
歌も迫力があって良かったですが、高音は苦手なんでしょうか「彼を帰して」は祐さまでもう一度聞きたいなぁ~なんてふと思ってしまいました(ごめんなさい)

川口ジャベの歌が素晴らしかったです。
特に「スターズ」は聴かせてくれましたねぇ。めちゃくちゃ拍手しちゃった(笑)
吉原さんが大柄なせいか線が細く見えるのが惜しかったなぁ。存在感が薄いというか。
演出のせいなのかもしれませんけど、バルがジャベを恐れているように感じられなかったんですよね。
今までのジャベってなんつーかちょっとバルに対して偏執的なところがあったと思うんですけど(笑)川口ジャベはまっとうな公務員さんに見えてしまった(笑)

でもまだ初日あいてすぐですし、次回も吉原・川口キャストで観る予定なので進化を楽しみにしたいと思います。

ほかに男性陣では上原アンジョが予想外に素敵でときめきました←実はあんまり期待してなかった(すみません)
背も高いし、顔の造作も彫が深くて外人顔だし、なにより声がすっごい素敵なのーーー!
岡アンジョ、岸アンジョ以来のときめきアンジョでしたw

メインキャストのほとんどが「はじめまして」のなかで、はじめさんのテナは何度か拝見したことがありますが、今回も安定のテナさんでしたね(^^)
花柄チョッキがカワユス(爆)

女性メインキャストは全員はじめまして(他の作品では拝見したことありますが)。
和音さんと昆さんは期待していたんですが、歌は上手いんだけど…うーん。
何というか、うまく歌うことに意識がいってて芝居が伝わってこなかったように思いました。
歌詞の意味が切れるところでも、ずーっと伸ばしてブレス入れずに歌い続けたりしてて「?」ってなりました。

青山コゼは…ごめんなさい、歴代で一番苦手でした。
可憐な感じを出すためか首をよく振ってたんですが、それがシナを作っているように見えて計算高い女に見えちゃいました。
席が遠くて表情が見えなかったのもあるとは思いますが。
(舞台役者さんって本当に難しいと思います。身体表現ですもんね)
歌も…ううーん、頑張ってください!

そんななかで谷口さんのマダムテナが良かったなぁ。
森さんほどの陽気さは無くて(←森さんはいい人に見えちゃう)、ルミさんほどの意地悪っぽさも無くて(←この意地悪さが好きでしたv)、谷口さんはイイ感じにお気楽でしたたかな悪人っぷりでした。
歌も迫力!
(エポのこと考えるとまったくひどい母親なんだけどね^^;)

最後に子役。
清史郎くんはやっぱり上手いわーーー!
ガブの見せ場である「敵兵の弾丸を取りに行く」ってところが、新演出版になって実際の動きが無くなってしまいましたが、逆に歌声だけで伝えなくてはいけないからハードルは上がったとも言えますよね。
ちゃんと芝居心のある歌声で、姿は見えなくても「ガブーっ!」って胸が痛くなって両手を握りしめてしまいました。
いい役者さんに育ってください(←前回も同じこと書いた気がする^^;)



ちょっと辛口感想になってしまいましたが(いつものこと?)
やっぱり楽曲が素晴らしいし、あらためてレミゼが好きだなぁ~と思いました。

なので他キャストで観たくてスケジュール帳と配役表とお財布をにらめっこしています(笑)
(もう1枚チケットあるんですが、チケット発売後のキャスト変更があったために結局同じような配役になっちゃんたんですよね)

皆さまも機会があればぜひぜひ!