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晴れ時々くもり

パラドールの朝食はビュッフェスタイルでした。
昔はコンチネンタル・ブレックファスト(ヨーロッパ式)と言えばパンとコーヒー、それにハムとチーズが付けば上々というところでしたが、しっかりとアメリカン・ブレックファストでした(←卵やシリアル、フルーツ、ヨーグルトなどが付く日本でもおなじみのスタイル)

前日のにわか雨に懲りて、さすがの旦那も折り畳み傘を鞄に入れての市内観光。
結局、曇りはしたものの雨は降りませんでしたが(^^;

まずはグアディアナ川にかかるルシタニア橋に向かいます。
この橋は近代的な橋なので特に世界遺産とは関係ないのですが、田中芳樹さんの「アルスラーン戦記」の愛読者としては反応しないわけにはいきません←わかる人だけわかってください(^^;

ま、やっぱりただの近代的な橋で何のことは無かったんですがね←おい

で、そのルシタニア橋と平行にかかるのが、世界遺産の遺跡群にも含まれる「ローマ橋」です。
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古代ローマ時代に作られた箇所は土台部分が残るだけで、あとは後世に作られたそうですが(それでも200年ほど前)歩行者専用の橋として現在も使用されています。
つまり無料!(笑)
次からが昨日購入した観光用セット券で入れる場所です。

そのローマ橋のたもとにあるのがアルカサバ(ALCAZABA)←セット券2ヶ所目
もともとはローマ橋を通ってやってきた人たちが最初に通る関所の役目から始まった場所のようです。

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(アルカサバの城壁の内部)

古代ローマ時代の関所、その後のアラブ(イスラム教)時代の兵舎、そしてレコンキスタ(キリスト教再征服)後の要塞。
さまざまな時代の要素を残す遺跡です。
一角には「未調査」とばかりにたくさんの石柱が転がっていました。

メリダは街のあちこちに手つかずの遺跡があって、おそらく地下を掘れば古代ローマ時代のものが出てきてしまうといった感じなのでしょう。
地主さんは下手にいじれないってとこなのかもしれません(^^;

アルカサバからグアディアナ川と平行に歩いていくと闘牛場がありました。
こちらは世界遺産とは何の関係もありません。
が、しかし!よく見てください!
建てられたのはどうやら1914年のようです。これを見てヅカファンが黙っていられましょうか?いや、いられまい←反語法

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今では闘牛を行っていない地域も多いらしいので、ここが現在も使われているかは判りません。

闘牛場の先にあるのがカサ・デル・ミトレオ(CASA DEL MITREO)←セット券3ヶ所目
古代ローマ時代の邸宅跡です。
ミトレオ氏はメリダの有力者だったのでしょうね、中庭や浴室などもあり、広間の床のモザイク画も残っているのですが細かいタイルを敷き詰めて描かれていて、そうとう豪華な邸宅だったんだろうなぁ~と想像できる遺跡でした。

ここまでで結構歩いていて疲れていたのですが、さらに足を延ばしてシルコ(CIRCO)へ向かいました。
それには理由がありました。

なにしろスペインには「シエスタ」という習慣があります。
だいたい午後の2時頃から夕方4時頃までなんですが、会社・学校などが休憩時間になりみんな自宅に戻って昼食と昼寝を取るのです。
大きなスーパーマーケットなどを除いて、お店もすべて閉まります。
(飲食店は少し時間をずらして16時くらいに閉めて19時くらいに再開するところが多いように思います)

そしてそれは観光場所も例外ではないのです。
マドリッドのプラド美術館ほどになるとさすがに昼間も開いているようですが、メリダでは当然のようにシエスタの時間は閉まります(^^;
そんなわけで14時までにある程度観光をこなしておかないといけなかったのでした。

実はこのシルコにたどり着くのに少し苦労しました。
まず道に迷いまして(←鉄道の線路を越えなくてはいけなかったのですが、そのルートが判りにくかった)地図を片手に悩んでいたら、旦那が「変なおじさんがシッシッて言いながらこっち見てる。早く離れよう」と慌てたように言ってきたのです。
振り返って見ると確かにちょっと頑固そうなお顔をした白髪のおじさんがこっちを見ていました。
でも待って?・・・「シッシッ」ていうのは日本でいう「あっち行け」ではなく「ちょっとちょっと」という意味っぽいよ?←スペインでは店員を呼ぶときに「プスップスッ」と言ったりします。
そこでおじさんにスタスタ近付いていく私、焦る旦那(ごめん^^;)
「シルコに行きたいのか?」「はい」「そこの道を下りて地下道で向こうだ。それから左に行きなさい」「ありがとうございます」
これ全部スペイン語だったので旦那は焦ったまま(ごめん^^;)でしたが、おかげで無事に線路の向こう側に出ることが出来ました。
おじさん疑ってごめんなさい、ありがとう!

さらにはシルコに入る時にも迷いました。
スペインって観光場所でも商店でも入り口のドアが鉄格子で囲まれていることが多いんですよね。
しかも色ガラスで内部の照明も暗いから、ぱっと見には人がいるように見えない。
日本人の感覚だと閉鎖されているように思っちゃうんで、無意識に通り過ぎてしまったんです。
頑丈に施錠されているように見えて、実は押せばするっと開くドア。そんな入り口でした(^^;

あ、到着するだけで長くなってしまいましたね。
こちらがシルコ←セット券4ヶ所目
古代ローマ時代の競技場の跡です。


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ベンハーの世界ですな(笑)

そんなこんなでシルコに付いたときには疲労感MAX。
遠くからパッと眺めただけでさくさくと「お昼ごはん食べに行こう」とその場を離れる私たちでした←

ところが、お昼を食べに行く途中でもう1ヶ所、観光セット券で入れるところの前を通り過ぎたのでついでに入ってみました。
(もう観光したいというより、セット券を制覇するべしという義務感^^;)

CRIPTA DE STA.EULALIA(クリプタ・デ・サンタ・エウラリア)←セット券5ヶ所目

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これ入ってみて驚きました。
普通の教会の地下に、古代の教会の遺跡があるんですよ。
上の教会では普通に地元の人たちのミサが行われたりして使用されているんですよね。
とても不思議な感じがしました。

この時点で13時。
シエスタ休みに入るまで1時間ほどありましたが、残る遺跡1ヶ所を残して昼食となりました。
私は制覇してしまおうかと思ったのですが、旦那が「とにかく一回休もうよ」と。
地図を見てみると、街の外周をまるまる1周歩いたことになってました(^^;
歩いただけじゃなく観光してるしね、そりゃ疲れるよね。

お腹がすいているというわけではなかったので、ビールとワインと生ハム←のんべえ夫婦(笑)
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イベリコ豚の生ハムがこんなに雑に盛られているのは日本では見ないのではないでしょうか(笑)
これで2000円くらいだったかな。

一度パラドールに戻って私たちもシエスタ・タイム。
といっても私は昼寝をするのが苦手(←よほど体調が悪いとかじゃないと寝れない)なので、写真の整理などをするしかなかったのですが。
そこで開場時間の関係ない遺跡を観に行こうということになり、水道橋の跡を観に行くことにしました。

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水道橋はメリダ駅からも遠目に見えるのですが、近くに行くととても大きなものでした。
(この写真に写っている親子と比べると、遺跡の大きさがわかるでしょうか)

この水道橋跡は鳥たちの巣作りに最適の場所のようでした。
ツバメは低いところに、もう少し大きめの鳥(←鳥の種類に詳しくなくてすみません)半ばくらいに、そして一番上にはコウノトリの素がいっぱいありました。

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長い枯れ枝をくちばしにくわえて巣に戻ってくるコウノトリは迫力満点。
もう何百年も前からこの光景が続いているんですよね。

そして水道橋の傍らの遊歩道をジョギングしたり犬の散歩をしたりしている地元の人々・・・服装は変わっても、やはり何百年も前から人間の営みも同じように続いている。
長い歴史を感じる素敵な街だなぁ、とあらためて思いました。

水道橋を堪能した後は、セット券で入れる残りの1ヶ所MORERIA(モレリーア)へ。
買い物をしたかったらしい旦那は「行かない」というので一人で行ってきました←私だけ制覇したぜっ(笑)

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このMORERIAは古代ローマ時代の道の跡が残っている場所です。
そして、その遺跡の上に立っているのはなんとメリダ市庁舎です!

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こんな遺跡の上に仕事場があるんですよ。
すごいですねぇ~

私もちょっと買い物がしたくて街の中心地へ移動。
歩いていると途中で突然あらわれる遺跡←ディアナ神殿だそうです。
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そして本場スペインのZARAでお買い物。
姫の好きそうな服がいっぱい(笑)
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私は外人体型とはほど遠いので(^^;
試着の不要なストールを買いました(寒さ対策に役立ちました)

細い小道にはこんな可愛いお店もありました。
香水の量り売り屋さん。100種類くらいの香水が店内にずらりと並んでいました。
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ここで小さな石鹸を買って20時にパラドールに戻りました。

そうそう、パラドールのディナーは開始時間が20時半なんですよ。
シエスタがあり、日が落ちるのが遅い(4月末の時点で21時でも明るいのです)スペインでは、夕食の時間は21時くらいが普通のようです。

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この日にメインで頼んだのは豚フィレのソテー。
これもこの地方の料理だそうです。
ちょっとお肉が固めだったかなぁ・・・バダホスのバルで食べた方が美味しかったかも(^^;

あ、プチ前菜の冷製ニンニクスープはこの日も頑張って飲みましたよ(笑)