3回目の屋根ヴァ。

1回目は2階席センター、2回目は1階席上手、そして今回は1階席センター…しかもこれ以上は前に行けませんよ、という素晴らしいお席でした。

幕開き、屋根の上のヴァイオリン弾きが見上げるような場所にいます。
2階席からだとピンと来なかったのですが、とても高い場所だというのを実感しました。
そんな高い場所、しかも不安定な屋根の上で、それでも陽気に音楽を奏でる…そうすることで苦難を乗り越えてきたユダヤの精神。
つねにテヴィエのそばにあるユダヤの精神=ヴァイオリン弾き。

きっと、ゴールデにもツァイテルにも…それぞれのヴァイオリン弾きがいるんでしょうね。





ここから先はネタバレありです。


モーテル役が照井さんに変わって初めて観ました。
背が高くて頭が小さくてスタイルの良い照井さん…植本さんの持ち味であるチャーミングさは減りましたが、優しく真面目そうなモーテルさんでした。

そして元気!
比較すると植本さんが動きを制限されていたのが判ります(←その時はまったく気付かせなかったのがすごい)
「ありがとうパパ!」とツァイテルと手に手を取って駆け出していくところも、植本さんの時は家の裏側(平坦な舞台上)を通っていましたが、今回は次女カップルと同じように坂道を駆け上がって行きました。
「奇跡だよ」と歌うシーンでもツァイテル以上に駆け回っていましたし(ツァイテルの動きも少し変ってましたね)
最後はお姫様抱っこだし(*^▽^*)

(日比谷のあっちとこっちで、元雪組の男1、2が姫抱っこされてるんだよなぁ/笑)

ツァイテルの雰囲気もやっぱり変りましたね。
植本さんの時は彼と同じように可愛らしくて、照井さんになると同じように若々しくなっていました…女優おそるべし!



結婚式のシーンで、ツァイテルに指輪をはめてあげるところ、モーテルの目から涙がこぼれたように見えました。
演出の寺崎さんのブログによると、ユダヤでは「妻を持たない男は、喜びなく、祝福なく、幸福なく生きる」とまで断言されていて、けれどモーテルさんはその貧しさゆえに自分は結婚出来るとは思ってなかった(←これはミュージカル誌の植本さん・入野くん、上口くんのインタビューより)
ツァイテルを妻に得たことは、モーテルにとって本当に奇跡的なことだったんだろうなぁ。
ベールの下のツァイテルも涙ぐんでて、思わずぐっときちゃいました←親戚のおばちゃん気分(^^;


2幕はあまり出番の無いモーテルとツァイテルですが、ミシンお披露目のところで相変わらず仲良しなのが伝わってきます。
(2幕のツァイテルは右手人差指にリングが光ってます)

赤ちゃんの名前はヤッケラ…で合ってます?女の子かな。
ちょっと笑い声が聞こえるんですねぇ。
へい様と違って泣かない良い子です(笑)

ここで、赤ん坊をあやしている夫婦が好き。
そしてモーテルがミシンの方に行くと、その後ろ姿を優しく見つめているツァイテルがとても綺麗です。
1幕の恋人を見つめるキラキラした表情から少し変わって、夫を見守る穏やかで幸福そうな表情なんですよね。
今までの席だと角度的に観れなかったので、今回すごく印象に残りました。


そしてそんな奥さん業で逞しくなったのか、最後の荷造りのところで布を籠に押し込む時の「ふんっ!」て声がちょっと男前なツァイテルさんでした←