何度も再演されている舞台で
「Seasons of Love」は好きな曲だし(フルで聞いたのはCLUB SEVENの1st.が最初だと思うから9年前)
一度は観たいと思いつつ何となく躊躇していた作品。

今回、姫と縁のあるJenniferとSpiが出演するということで、良いキッカケだと思って観に行ってきました。

で、えーっと、この作品サイコー!大好き!the Best of Musicals!って方はこの先は読まないでください(^^;



いいですか?

レントヘッドの方、この作品に対して1ミリたりともマイナスなこと言われたら許せないって方は絶対読まないでくださいね。
(別にマイナスばっかり言っているわけじゃないですけど)


読んでも文句言わないでくださいね?



いいですね?



さて、では感想。
(注意:ネタバレあり)

私がこの作品を観るのを躊躇していた理由は2つ。
社会の底辺に暮らす人々の群像劇ということで、なんか暗ーくて重ーい作品なんじゃないかなぁ?とイメージ。
そして登場人物に共感できるかなぁ?という不安。

まず、ひとつ目は結論から言うと全然大丈夫だった。
もちろん悲しい出来事もあるけど、ただただ絶望というだけじゃなく、むしろその中で希望を見つけようとあがくエネルギーの方が大きかったから。

でも、ふたつ目は難しかったなぁ。
夢を持って生きるのはいい。でも夢を持ってたら薬物に手を出したり盗みをしたり家賃を滞納してもいいの?
それって違うと思う。
あと、やりたい仕事をしていない人間はすべて魂売ってるって描き方もねぇ。
私自身はいわゆるサラリーマンで、これが自分が夢見ていた仕事か?と聞かれればNOだけど、魂を売っているつもりはないし、犯罪まがいのことしている人にどうこう言われたくないわい!って思ってしまった(笑)

マイノリティはつらいのだろう。
セクシャル的なものも、人種的なものも。
(ミミはヒスパニック系なんだよね。お母さんがDonde estas Mimi?って歌ってるから)
でも「ハニー、電話をちょうだい」って言ってくれる親がいる。
「どこにいるの?ミミ」って心配してくれる親がいる。
なのに、夢がどうのこうのってヤンチャしてHIV感染して薬物に手を出してって・・・ごめんなさい、私はそういうの共感できないんですよ。

現実に震災で親を失った子供がいる。
内戦で家や国を失った人たちがいる。
世界には僅かなお金のために子供を売る親がいる。
ほんの1世紀ほど前には、日本だって口減らしに子供が働きに出されたんだよ?(おしんを見よう)

私の祖母は小学校を出てすぐに奉公に出されて、親からもらった名前は無視されて、雇い主の奥様に勝手に付けられた名前で呼ばれて働いていたらしい。
10歳ちょっとの子供がだよ?私には考えられない寂しさとつらさだったと思う。
こないだの「客家」じゃないけど、私はそういう苦難を乗り越えてきたお祖母ちゃんがいるから、今こうして生きているんだなぁって思うとね。
今現在、後進国でなんの知識も与えられないままHIVにかかってしまう女性や子供を思うとね。
RENTの登場人物の価値観はどうも共感できなかったんだよなぁ(^^;

ただね、人を恋しいと思う気持ちとか。
大切な人を失ってしまうかもしれない恐怖とか。
そして失ってしまった悲しみとか。

そういうのは、立場が違ってもやっぱり同じだから。
価値観が違ってても判るから。
ミミの「Without you」(←でいいのかな?プログラム買ってないからわからないけど)とか、エンジェルが亡くなるところは泣いたよーーーーー


そうそう、曲が全部いいなぁ~と思いました。
私がもっと若かったらハマったのかなぁ?
年代的に感じるものが違う作品だと思う。

何度も例に出しているから私のブログをずっと読んでる方は耳タコ(目タコ?)かもしれないけど、私がハタチ前後で最初に「レ・ミゼラブル」を観た時は全然良さが判らなかったのに、アラサーになったらドボンとハマりましたからね(笑)
そういう「ハマる世代」がある作品なのだろうなぁって思います。

実際、舞台上も客席も若者が多かった。
ちょっと歌詞が聞き取りづらい人もいたけど(ごめんね、東宝やらヅカやら滑舌が良いのに耳が慣れちゃってるからねぇ^^;)歌は上手な人が多かったな。

Spiの歌は聞き取りやすかったです。
ダンスはほどんど踊ってないからよく判らない。
動きが付いているときはいいんだけどね、ただ“立っている”って時に重たく見えるのが残念だなぁと思っいました。
あと、奥さんがいる役って雰囲気は無かったな(^^;

Jenniferはダイナマイトですなぁ(笑)
ファファちゃんとは真逆イメージでしたけど可愛かった!


あ、そうだ。
ラストシーン近くのミミが運ばれてくるところで、ふと「これって前に観て共感できなかったオペラの設定に似てるなぁ」と思ったんだけど。
帰ってから調べたら、そのオペラがこの作品のモチーフだったという・・・orz

私は男が不甲斐ないせいで女の子が不幸になる話は嫌いなのだ!(爆)

まぁ、オペラの方はミミが死んじゃうから余計に「おい何だよそれ!?」って感じだったけど、この作品は救いがあるからまだ良いかな。


最後に・・・エンジェル役ロウマくん、ドラァグクイーンの恰好している今回よりも、男の恰好してたCLUB7の方がカマっぽく見えたのは何故だ!?←