ふと思い立って観に行きました。
そのため何の予習もしていなかったのですが、とても楽しめました。

いかにもタカラヅカらしい色合いの、でもあくまでも本公演ではなくバウ作品らしい筋立ての、なかなか面白い作品だと思いました。(←fanではなくinterestingの方の意味でね)

マリー・アントワネットにフェルゼン伯爵、ルイ16世、フランス革命、バスティーユ陥落…
ちょっと歴史が絡むと「難しそう!」と理解するのを放棄しちゃうヅカファンのお話もちらほら聞きますが(苦笑)そんなヅカファンでもお得意の(爆)とっても馴染みのある時代設定。
わっかのドレス、レースひらひらの宮廷服、近衛兵の華やかな軍服。
いかにもパステル調のTHEタカラヅカ!!な世界観。

けれど、主役のジャン・ルイは典型的なタカラヅカの二枚目とは違う。
素晴らしい妻と愛する子供がいながら、美を追求する者として家族とは次元の違う“愛”を王妃アントワネットに捧げる。
ともすれば、恋?と捉えられかねない熱い想いを、でも何のやましさもなく抱いてしまう…そんな男性。
本公演でやったら、ちょっと危険かなぁ?クレームきちゃうかも?でも大人だったら判るよねぇ…という感じ。

アントワネットを挟んだ、ルイ16世とフェルゼン伯爵の心情が表現された“抽象空間”のシーンも良かったなぁ。
嫉妬とやましさ…
そういった人間らしい心の揺れやゆがみが歴史を作るということ。

ベルばらが砂糖たっぷりの甘いケーキなら、今作はシナモンが効いたクッキー。
大人の口に合う美味しいクッキーでした(^^)

ベニー氏と真風くんが出ているので去年のメイちゃんの比較しながら観てしまいましたが、ふたりとも場数を踏んで大きくなったなぁ~と思いましたね。
上手くなった…というよりも、舞台人としてのハッタリが効くようになったなぁと思ったのです。
もちろん褒めてますよ?
男役スターは上手いだけじゃダメですからねぇ。

今回、ところどころで「ベルばらのパロディかよ?」という思いが一瞬よぎるシーンがあったのですが
(牢獄前の「王妃様ぁ!」ってやつとか、絶対狙ってるよね^^;)
でも、そこでププッと笑いそうになるのを抑えたのは、ベニー氏や真風くんの演技力というか、ハッタリというか…舞台から発せられる有無を言わせないパワーだったように思うのです。

こうやって成長を見守ることが出来るのはヅカならではの楽しみですね。
このふたりの今後は要チェックだなぁ(笑)
そんな思いで青年館をあとにしました。