今回は少々苦戦いたしました。
図書館で借りたのですが、返却期日の前日にようやく読み終わったというくらい(^^;

ま、途中に宮城に行ってたり読めない環境でもあったんですが…



別に文章が難しいわけじゃないんです。
むしろ今までの本よりは簡単な文体です。

ただ、読んでてツラいの。

客家の女=わぁ、空ちゃんてどんな人?という気持ちで読むと…

ドヨーン(´Д`|||)

みたいな?(苦笑)



解説を読むと、この本は“客家の女”を描いているというのではなく、現代(近代)台湾文学の客家人作家の作品の中から女性を描いたものをピックアップした短編集なんですね。
そして、台湾の客家族というのは島に定住している人がほとんどで、かつての「移住」をしてきた客家とは質が変わってきてしまっているようなのです。
客家の女たちのもっとも重要な役割だった“家を守る”というものも、時代の流れで“外に働きに出る”という女性たちも出てきているのが現実。
そういう意味では、空ちゃんの時代の客家女性とは違うのでしょう。

客家の女性“本来”の特徴を知るには、それこそこの本の解説を読むのが手っ取り早いです(苦笑)
とても簡潔にまとめてあります。
途中でギブアップしそうでしたら解説だけ読むのもあり!?(笑)



あ、ドヨーン(´Д`|||)になる理由はですね。
出てくる女性たちがことごとく貧困、無学、知的障害、身体障害という困難を抱えているからなんです。
苦労して苦労して…そして救いのないまま終わるの。

私の感覚だと「小説」っていうのは何らかの救いや教えがあって終わる方がしっくりくるんですが、それが無いからモヤモヤしちゃうんですね。
「ええ?これで終わり?そんなんありですかぁーーー?(涙)」みたいな終わり方だから。


ちょっと話がズレるかもしれませんが、学生時代にフランス映画、スペイン映画などを初めて見たときの感覚に似ています。
それまで邦画か、洋画と言えばアメリカのロードショー系くらいしか見たことが無かったので、仏映画や西映画を見た時はしっくりこなくてモヤモヤしたんです。

「知らない文学を読んだなぁ」って感じはある本でした。