コーヒー大好きなぶどうさん。

 

休日は夫と、平日は一人でドリップコーヒーを楽しむ。

 

若いころからコーヒーを淹れるのが大好きで、飲まなくても淹れるだけでちょっと幸せになれる。

 

おそらく、味よりは香りが好きなのだろう。

 

そしてコーヒーが好きというよりは、ともにいただく甘味が好きなのかもしれない。

甘味があると、お互いが一層引き立つように思う。

 

ところで。

若い頃からこの年まで飲み続けているということは、さぞコーヒーの味にうるさいと思われるだろうが。

 

実は全然コーヒーの味がわからないということが、最近分かった。

 

あらら・・・。

こだわりがあったようで、なんにもなってなかったのね。

 

若いころから断然豆派であり、つど自分で挽いていた。

 

学生時代はスーパーの安い缶入りや袋入りの粉を買っていた。

質より量。

おまけに安いコーヒーメーカーで淹れていた。

 

おいしくないと学習したので、働くようになってからは目もくれなかった。

今思えば、もともと安物のうえ、消費に時間がかかっていたせいだろう。

 

よって、豆を買うようになった。

豆も新鮮なほどおいしいというので、一時期通販でまとめ買いをしていた。

 

まとめ買いは、買った当初はいいけれど賞味期限内であってもどんどん味が劣化していく。

保管が難しいのだ。

 

で、お財布と相談して、折り合いの付く近場の専門のお店でちょこちょこ買い求めるようにした。

 

新しいと香りとふくらみが違う。

必要な時に必要なものを必要なだけというのは、いい。

 

しかし現在はというと。

今まで通っていたお店が遠のき、近くでお手ごろな値段のおいしいコーヒー豆を扱うお店がなくなった。

 

お高いお店は、ある。

高くてうまいは当たり前。

 

贅沢したいならそれでもいいけど、できれば気軽にたっぷり飲みたいのだ。

 

どうしたものかと思案しているとき、たまたま行った特売スーパーで、400g400円という袋入りのコーヒーを見つけた。

 

あいにく粉である。それに量も多い。

豆なら劣化が防げるのにとも思ったが。

 

100gの豆を買うなら、安くても400円から500円である。

それと比較したらとんでもない安さである。

 

けちんぼのぶどうさんのこと、あまりの安さにこれまでの決め事が全部吹っ飛んで、ついそれをかごに入れてしまった。

 

安いからまずいだろう、なんと無駄な買い物をしたんだろうと帰りの道で後悔はした。

この手の失敗はぶどうさん、数限りないからである。

 

しかし。

 

意外やそのコーヒーはおいしく、それ以来リピートしている。

 

お財布に優しく、おいしく、たっぷり飲めるコーヒー。

なんと理想的なのだろう。

スーパーの粉はおいしくないなどと、スルーしてきた自分が悔しい。

 

時代とともに消費者の舌が肥え、企業の努力でいつのまにかスーパーに陳列するものの品質が向上していたのだ。

 

けれど。

 

もともと味音痴なぶどうさんがコーヒーの味などわかっていたとは思えない。

 

これまでのコーヒーへの投資?は、ただの浪費であったことだけは認めざるを得ない。

 

これからは、スーパーのお安いコーヒーの粉で十分ということが分かって、お財布が安泰になったのはうれしい。

 

悲しいような嬉しいような微妙な発見は、日々の成長・・・・と思いたいぶどうであった。