最近パン、菓子コーナーで不思議なものをよく見るようになった。
ずっと以前、昔ながらの菓子屋で売っているのを見て以来みてなかったもので、今は地方のひなびた菓子屋にしかないだろうものが、なぜか北国スーパーに何種類もある。
ありえない。なにゆえ今頃、このお菓子?
甚だ疑問に思っていた代物の名は、シベリア。
カステラに羊羹をはさんだレトロな食べ物である。
それが何ゆえ今、スーパーに?
その謎は、今日やっと解けた。
どうやら、ジブリ映画に取り上げられていたらしい。
映画に取り上げられただけですぐさま菓子メーカーが反応するというところは逞しいともいえるのだが、
メディアで取り上げられればなんでもブームになるというかブームが作られる日本というのがどこか悲しく情けない。
それにのっかり消費者も、メーカーも踊らされるのに、全然懲りてない。
とはいえ、一時期ブームになり定着したものもあるので、ブームが悪いとばかりは言い切れない。
たとえば、カヌレやクイニーアマン、マカロンにクレームブリュレなんて、今では誰もが知っているメジャーな菓子類になっている。
それを家庭で作ったりするブームもあったりして、ブームが去ったからといって捨て去られているわけでもない。
良いものは、どんな形ででも残り続けるのである。
シベリアだって「あんこ系とカステラ」という黄金の組み合わせであり、決して邪道でもない。
その手のお菓子は形は違うけれどいろいろある。
シベリアはなりを潜めていたとはいえ、その形でしぶとく生き残ってきたもの。
映画で取り上げられたとはいえ、良いものだから脚光を浴びただけなのかもしれない。
映画はこれからしばらくは上映されることだろう。
とすれば、シベリアの地位は当面のところ安泰といえるかもしれない。
はてさて、しかしどれくらいメーカーが製造し、棚に陳列されることだろう。
果たしてスーパーに生き残っていく商品となるのだろうか。
日本の、作られたブームから脚光を浴びたものが本物になるのか、それともメジャー路線からははかなく消えていくのか。
これもまた消費者が決めることなのだろう。
シベリアの行く末は、いかに?!