野暮用で平日朝から郵便局へいったぶどうさん。


ぶどうさんは怠け者なので、よっぽどの理由がない限り平日に郵便局へ行くことはない。

そのわけは、自転車か自分で歩いていかなきゃならないから。


北国では、郵便局への直行のバスはないし、そもそもバスに乗るほどの距離ではない。

しかし歩くにはちょっと億劫な距離で、バスに乗るわけにはいかず、しぶしぶ歩くことになる。


おまけに郵便局周りに買い物する場所とか図書館など、楽しげなところががあればいいのだけれど郵便局だけポンとあるので、娯楽性がまったくなく、いく気にならない。


土日にできる用事であれば、夫に車で連れてってもらい、なにかのついでで立ち寄るというのが常である。


それなのに、どうしても窓口で処理してもらわねばならないことがあり、出かけることになったのである。


珍しく窓口の開いている郵便局に歩いて来たのだと思うと、せこい根性が頭をもたげ、ついついいろんなところをきょろきょろしてしまう。


なにやらめぼしいものがないかと新しく発売された切手や物販のチラシを熱心に物色し、待ち時間中の情報収集にも余念はない。


窓口で用事を済ませさあ帰ろうとしたとき、郵便局員窓口の女性がチラシをとりだした。


「かもめ~るはいかがですか。今月末から発売するんです、予約のチラシをお入れしますね」


と笑顔でお中元のカタログとともに渡してくれた。


その女性によれば、


「かもめ~るは暑中見舞いや残暑見舞いのイメージが強いけれど引越しや結婚の挨拶などいろんなシーンで使えるし、便利ですよ。

年賀状と違いくじつきで絵柄もついて、普通のはがきのお値段と同じなんですよ!」


とのこと。


しっかり宣伝&お得を力説され、手軽で便利で安い電子メールが普及した手紙離れのご時勢での販売の厳しさを感じずにはいられなかったぶどうさん。


・・もちろん、郵便局の民営化の影響は無視できないとは思うが、局員間の販売競争は民営化前からあったようだし。


どうせ買うものだし、じゃあまた寄らして貰いますと応えて郵便局を後にした。


チラシをみただけで現物をみていないものの、今年のかもめ~るの絵柄は、花火と西瓜。ほかに無地2種類がある。


絵柄はなかなかかわいらしく夏らしいので、発売が楽しみである。


このところかわいらしくて新しく発売された切手があれば購入していたが、まだ1シート使っていないものがある。

こうした切手は季節をテーマにしたものが多く、出来るだけ旬のうちに使いきったほうがいいので、使いきる分以上のものは持たないに越したことはない。


もし使い切れなかったら・・一年後くらいに使うことになるものもでてくる。

1年も使えないものを持っていたくないので、購入は手持ちの切手量と相談しながらと決めている。


物色していた切手コーナーで気に入っているシリーズものがあったが、新しくシートで買わなくてよかったと、胸をなでおろした。


かもめ~るの発売は今月末頃から。

くじ付きで、絵柄もついて通常はがきと同じ値段だそうな。


発売当初からそうだったような気がするのだけれど、だまされておくか。


以前は夏のかもめ~る以外に、春にさくらめ~るというものが販売されたことがあった。

さくらめ~るは早々に販売中止になったようだが、かもめ~るはなんとかがんばっているらしい。


はがきを書くよりファックスが早くて安いし、メールはもっと手軽で早くて安い。

はがきは時間がかかるし、ちゃんと届いているかわからないし、相手が筆まめでない限りははがきを読んだ反応もわからない。


それでも届くまでの時間差や、時間と場所を越えて同じものを手にする不思議は、はがきならではだ。

ポストにダイレクトメールや年賀状以外でお義理でないものが手元に届くってなんだか嬉しいし。


字が汚くても、つたない分でも、相手を思いながら書いたはがきは、温かい。

同じように、自分を思いながら書いてくれたはがきには相手の心がこもっている。


人生は、一人で生きるものではない。

必ず誰かと関りながら生きている。


他人との関りを大切にすることは、自分を大切にすることでもある。


なかにはくだらない関りもあるが、その辺はよく吟味して自分を大切にする関りを選ぶようにしよう。


一枚50円のはがき、かもめ~る。

それを送ったからといって形としてはどうってこともないのだろうが、この夏、かもめの背中に見えないつながりをのせて運んでもらおう。


一等は5万円らしい。やっほ~!

ただし、買った人ではなく、送られた人があたるのである。


こんなに宣伝しても、これは年賀状とおんなじお約束。


とほほ。



だれかぶどうさんにも送って~