北国に住んで、早数年。
娯楽のない北国において、ささやかで密やかな楽しみが、ぶどうさんにはある。
それは。
「北海道のお菓子」
西の国に住んでいたときには、北海道展にわざわざ出かけてやっと手に入れていたものが、なぜか身近にあり手に入りやすい!
さすがに北海道との間には海峡があり、なんでもかんでもどこにでも、ほほいのほいと置いてあるわけではない。
そうではないが、スーパーに、ショッピングモールに、デパートに、生協に、ひっそりとたまに堂々と北海道のお菓子がある。
知らなければ見過ごしてしまうほど商品の中に溶け込んでいるため、気づかず数年というものもある。
北海道のお菓子はおいしい。
んーーー、確かにたまに「なんじゃこりゃ」と思うものもないでもないが、大体においておいしい。
ぶどうさんのお気に入りは、有名どころではロイズや六花亭、柳月だが、札幌第一製菓のきなこねじりとか北見ハッカとか中ノ目製菓の甘納豆とかスーパーでの販売商品も見逃せない。
つい最近買ってみた北海道のお菓子は、島川製菓の「ミルクカステーラ」
見た目茶色い棒状の、四角で不思議な・・そう、パンっぽい。
袋に5つ入って、200円。
妙に軽い。
カステラという名前だがスポンジ生地のようで、どちらかというと西の国で菓子パンとして売られていたものに似ている。
何しろ西の国にはいわゆる「カステラ」があるので、これがカステラなのかどうかよくわからないが、鈴カステラだって「かすてら」なんだからカステラなんだろう。
元祖カステラか鈴カステラのように、すごく甘くてしっとりしているのを想像しながら食べてみた。
ところが予想に反した、意外な食感に驚いてしまった。
かたいのだ。いや、本当の意味でのかたさではない。
かじった歯のあとがくっきりと線状に残るような、ざっくりねっちりとでもいうか、そんなかたさなのだ。
おまけにぱさぱさで、甘さも強烈ではない。
そして、味はカステラではなく西の国でいう「丸ぼうろ」。
丸ぼうろより乾いていて厚みのある、卵と粉と蜂蜜の味。
どこがミルクカステーラなのかと訝りながらも、1本さほどの量ではないため食べ切った後、次のリピートはないということにした。
しかし翌日。
やっぱりミルクカステーラが気になる。
まだあと4本もあるし、責任上ぶどうさんが食べ切るしかない。
たまたま冷蔵庫に珍しく牛乳があったので、子供のおやつっぽく牛乳とともに食べることにした。
すると。
おいしいではないか。
まさに子供のおやつのお味。
ミルクと卵と蜂蜜の、ママンの味なのだ。
そう、そうなのか。
ミルクカステーラって、ミルクとともに食べるもんだったのかと、やっと気がついた次第である。
早く気がついてよかったよかった。これで残りはおいしく食べられること間違いなし。
製品の名前は伊達じゃなかったのである。
いや名前自体は、もしかするとミルクが入っているからかもしれんが。
このミルクカステーラ。
似たようなのに高橋製菓のビタミンカステーラというものもあるらしい。
札幌と旭川、どっちかというと後者のほうが古い?らしいのでどっちが元祖かよくわからないが、どちらも北海道の人に愛されているらしい。
またしても、北海道の気になるお菓子を発見。
みなさんもどこかでミルクカステーラ又はビタミンカステーラを見つけたら、是非お試しを。
北海道はおいしいですぞ。