シンク上の戸袋を開けたぶどうさん。
ほぼ使っていないその戸袋には、やはりほぼ使わない代物が眠っている。
ほぼ使わないけどたまに使うから捨てられない、そんなもの。
そこにはカセットコンロとガスボンベが眠っていた。
11月といえど北国の季節の進行は早い。
さっそくお鍋の季節がやって来て、一冬に何回使うかわからないが、一応必ず使いはするそれらのものを引き出した。
ふとみれば、戸袋の端に懐かしいパッケージが立てかけてあった。
箱ごとしまわれているそれは、ワッフルメーカー。
こんな所にあったとは、と新鮮に驚いたものの、そういえば昨年も同じことを言って驚いただけだったのを思い出した。
ぶどうさんちにあるのは直火式の、簡単なワッフルやき型だ。
ここ数年、取り外しの出来るプレートがついた電気式のワッフルメーカーが人気だから、お持ちのかたも多いだろう。
手軽にかつ上手に焼きあがる電気式のワッフルメーカーは、毎年のように新しいプレートが発売され、必要に応じて買い足せるのが魅力だ。
また以前はブランドが限られていたのに、この頃はいろんなブランドのものが手に入るようになった。
憧れの、あのブランドの機種、というのが実際に買える値段で売られているのをみると、ちょっと羨ましい。
ぶどうさんが直火式のワッフルメーカーにした理由は、これ以上家電を増やしたくなかったのと壊れ難そうだったから。
ただの焼き型みたいなものだから、壊れるとすれば表面加工が剥げ落ちるくらいで、そこまで使ったなら捨ててもいいかな、と思えたし。
油のにじんだ箱を開けると、やはり少々汚れていた。
しまう前に手入れはしていたものの、油が酸化されてべとべとしている部分がある。
常に使っていればこういったことはないが、間隔を開けすぎて(というかわすれてた?!)道具を使うなら、手入れをしないと使えない。
たまの手入れは必要だから♪と言いながら、ついでに久しぶりにワッフルを焼くことにした。
ワッフルといえば、ベルギーワッフル。
一時期大流行したマネケンタイプ。
なんだろうけど、ぶどうさんはせっかちでありかつどうもこのタイプを作りたいと思わない。
理由は、バターが沢山入るから。
発酵生地だし、バターを減らしても焼けそうだとは思うが、そうするとがっかり感は否めない。
だから最初からこれは作らない。
で、何のワッフルかというと、アメリカンタイプといわれる四角のもの。
バターの量が少なくて粉と水分量の多い。
これだとベーキングパウダーははいるが、砂糖は多めでも少なめでもいいし。
パンケーキの生地っぽいといえばそうだが・・・
レシピ本はワッフルにいたってはそんなに持っていないので、一番お気に入りの本から選んだ。
その名も「ワッフル焼こう」
柳瀬久美子さんが1997年に出版した本で、3種類のワッフル生地が紹介してある。
ワッフルが流行りだして、ワッフル型を手に入れた頃に買ったので、(うろ覚え)どれも新鮮だった。
この本は、今度活養に取り上げてみたい。
あの頃、ワッフルやいたよなあ・・・太ったよなあ・・・遠い目・・・・
久しぶりのワッフルは、まるでお菓子屋さんの前を通ったかのような、卵と砂糖とバターの焼けるにおいがした。
そして熱々はおいしかった。ごめん夫よ・・・・。
久しぶりに作った感想は、アメリカンワッフルって非常に手軽で、おやつに使いやすいのではないかということ。
ケーキ屋さんに走らなくても、スーパーに行かなくても、粉と砂糖と膨らし粉と卵と牛乳とバター(豆乳や油に置き換えても)と、家にある材料で出来るし、混ぜるだけですぐ焼ける。
クレープみたいに寝かさなくてもいい。(寝かすから時間差で作り易いのがクレープのいいところだが)
おなかいっぱいになるし、バターやメープルシロップ、生クリームやジャム、フルーツやアイスクリームなどの添えもので豪華にもなる。
砂糖をへらして副材料を加えれば、スナックっぽくできる。
これは、つかってみて損はない。
ただし、ワッフル型はどこまでいってもワッフルしか作れない。
モッフルも出来るけど、あのデコデコがあるかぎりワッフルだし、あのデコデコがあるからこそワッフルなのだ。
90年代に日本にやっと登場したワッフルは、いまや当たり前のお菓子であり、買うより家庭で作って食べるものになるほど定着した。
パンケーキブームが一段落した今年、我が家ではワッフルブームが起きそうな予感がする。