大容量の上新粉を手に入れたぶどうさん。


なんと、一升、1.2キロの大袋入り。お値段600円だから、100gあたり50円ってとこか。

1キロにしたら500円だから、お米としてはまあまあのお値段とも言える。

粉にした代金分を上乗せされていると考えたらいいのか。


上新粉を買ったのには理由がある。


団子を作りたかったからだ。

ダンゴ三兄弟が何のダンゴだったか知らないが、ぶどうさんが作りたい団子は、みたらしだんご。


たまたま図書館で借りた本に電子レンジで作るみたらし団子が載っていた。

それも、上新粉100%の正統派。


実はぶどうさん、上新粉100%のものは作ったことがなかった。

長い時間蒸してそのあと揉んでこねて・・・なんて面倒だと思っていたからだ。


つくったことがあるのは、だんご粉のだんごのみ。

だんご粉は、ゆでて手軽にだんごが作れるように配合されたもので、便利で優秀な商品である。

ただ、ちょっとずるい感は否めない。


おまけに、手持ちの本のみたらしのタレのレシピはことごとくおいしくなくて、みたらしのタレにも敗北感を抱いていた。

よって殆ど作ったことがない。


図書館で借りた本によれば、蒸し器で長い時間をかけて蒸さずとも電子レンジでほんの3~4分で加熱が終わり、ちょっとだけ熱いの我慢して揉めばだんごが出来るという。

タレも、この人のレシピなら期待できると思うと妄想が膨らむ。


そのレシピは、ぶどうさんの心をやる気モードに変えた。

そんなときに限って上新粉がでない。

やっとこさ以前買ったものを使い切ったばかりだったのである。


新しい粉で作れるのだし、それもよしとしようと週末をまって買いに走ったものの、あいにく挽いたばかりの新しい粉がない。

そのお店では月初めに新しい粉をおろすようで、その日は月半ばすぎ。

月半ば過ぎに買うくらいなら翌月まで待とうと一度は見送ったが、翌週やっぱり欲しくなって買ってしまった。


ところが購入を1週間おあずけにしたがためにだんご作りモードは一気に冷め、結局買っただけでしばらく放置してしまった。


で、もう10月。

だんご熱はとっくに冷めている。

しかし今週末までに作らなければ、10月はじめに挽いた新しい粉を買えばよかったってことになる。


・・・・ならん、それだけはならんメラメラ


というわけでぶどうさん、夕飯の用意をした後慌ててみたらしだんごを作り始めた。


粉に水を入れて電子レンジで加熱して揉むだけ。そう、それだけのレシピである。

しかし、ことはそう簡単には運ばなかった。


レシピでは粉に対しての水の量が多いように思えたが、電子レンジにかけてみたところ加熱むらというより水分不足で粉のかたまりのようになってしまった。

どうみても水分がいきわたらず全体が加熱されていないようなので、ついついお湯を追加してしまった。

これが間違いの元であった。


レシピでは、トータル4分加熱。

ぶどうさんは半量で作ったから、2分かもう少しで出来上がるはずである。


のはずではあるが、ねちねちべちゃべちゃして全然もめるような状態にはならない。

仕方なく倍以上の時間加熱して水分を幾分飛ばしたが、それでもなんだかねちょねちょぶよぶよのままで一向に手に取れるような様子ではない。


全体に火は通っている様子なのでやけくそになって取り出し、揉んでみたが、これまたねちょねちょで、うっかり手につこうものならモチがくっついてしまう。


勝手に水分を変えた報いである。


なんとか根性でもちを切り分け、しかし丸めることも出来ず無理やりくしに刺し、だんごなんだか棒状餅なんだかわからない物体をトレーに載せてオーブントースターで焼くこと数分。


一応串に刺さった不思議な物体が出来上がったのである。


タレをたっぷりとかけて体裁だけは整えたものの、どうみてもこれはだんごではない。

しかも焼くことで外はかっちり固まってしまい、なかは水分たっぷりのやわやわ餅。

タレだけが奮闘して、見た目と味をかろうじてみたらしだんごにしてくれている。


大失敗である。


翌日、失敗を反省しネットでみたらしだんごのレシピを検索することにした。

たちまちいろんなレシピがヒットした。


家庭向けのレシピでは、白玉粉と上新粉をブレンドした粉でこね、ゆでて作る方式が一般的であることを初めて知った。

上新粉だけ、また蒸して作る方法は大抵お菓子作りにこった人むけであり、あまり作られていないようである。

そして、上新粉だけのレシピでは水分量が粉よりも少ないものが殆どだったのだ。

・・・そりゃそうだよね、ちぎって蒸すんだもの・・・


ぶどうさんが試したレシピは粉に対して水が倍ほどである。

蒸す場合は水分が供給されるが、電子レンジの場合水分が飛んでいくため粉に対して多めの水が入れてあったようだ。

それなのにそれ以上に足したんだもの、そりゃ、べちゃべちゃだわな・・・・


シロウトの勝手な判断とは、まこと浅はかで結果は悲惨である。

これに懲りてしばらくだんごつくりに距離をおきたいと思ったが、なにせ、上新粉の残りが1.1キロ以上あるのだ。


もうすこしがんばんべ?とほほ・・・・


そういうわけでぶどうさん、近いうちにまただんごにチャレンジすることにした。

まずは素直に本に書かれたとおりにやってみる、だめなら考える、勝手な判断はしないと、心に決めた。


ただ混ぜてレンジ加熱するだけのものに失敗した打撃は大きいが、たかだか家庭内での失敗だ。

やり直しは何ぼでもきくのだ。材料もた~~んとあるしね。


きらくに、きらくにね~(と言い聞かせる)


だんご道、しばらくがんばるべしである。


ただし。体型がだんごにならないように気をつけたいものである。