可燃ゴミの日の朝。
ぶどうさんはてんてこ舞いする。
その理由は、なるべく当日分だけでも野菜類の下処理をしてゴミを出したいから。
この習慣はここ数ヶ月続いているのだが、週に二回の可燃ごみの日にちょっとでもこの下処理をしておくと保管するゴミの量がだいぶ減るような気がして気に入っている。
毎回ゴミだしリミットの8時半ギリギリ、もしくはちょい過ぎまでその作業に精を出し、慌てて捨てに行くパターンを続けていた。
ぶどうさんちでは、ごみだしはぶどうさんの仕事。
これは絶対の取り決めだ。
家庭によって事情が違うだろうし、子供の家事当番にしているところもあるようだが、うちではそう決めている。
ぶどうさんが専業主婦で、暇人だから仕方なくやっているというわけではない。
今から仕事に出かけるという夫の手を煩わせるのなんて問題外。
おまけにゴミステーションではごみ用のネットをかけなきゃいけないので手が汚れる。
ご主人に頼んでいるお宅は、その後どうしているのだろう。不思議でしょうがない。
話を元に戻そう。
8時半過ぎにゴミを出すのは違反だと思っているから、とにかく時間厳守にしていた。
8時半より早くだす人もいるが、夏は生ゴミのニオイが出てはいけないしカラスの害も気になるのでお約束の時間きっちりに出すのが一番と信じていた。
ところが。
お盆の可燃ごみの日から話が変ってきた。
お盆のごみの日、休みのわりには早起きをしたので朝食の準備をしたあと鼻歌交じりに野菜の下ごしらえをしていた。
ふと気がつけば、なんだか近くでエンジン音がする。
エンジン音とともに大型の車が出す車輪の音というのだろうか、ガーーっという音とごみ収集車が来たときにきくごみを入れる音が同時にするではないか。
時間を見れば、まだ8時20分前。
ごみ収集車が来るには早すぎる時間だ。
大抵10時半から11時過ぎに来るので、まさか、と思いつつ不安はぬぐえない。
次のごみ出しまでのごみを減らすためにやっている下処理をしたせいで、今現在ある生ごみを捨てるのを逃すのは、アホと一緒である。
いやいや、そんなはずはないだろうと思っていたところ
夫が「ごみ収集車くるんじゃない?!」といいだした。
たしかに、大型車がバックしているような音がする。
まずいと思い、慌ててごみ袋にごみを押し込み夫に出してもらった。(夫よ、ありがとう)
ぶどうさんはまだ寝巻きのままだったので外に出られなかったのだ。
結局本当にごみ収集車はやってきていて、8時半前にごみを持っていってしまった。
いつもの調子でいて、出せなかった人がいるんじゃなかろうか・・・と思うが確かめようはない。
そのお盆の出来事以来、8時半ギリギリにごみを出すのはやめた。
しかしそれ以降そんなことはない。
お盆だったから業者の都合で早く来たとしか思えない。
時間前に来たのはお盆のときのみであるらしいと推測はされたが、持っていってもらえないのは困るし、ぶどうさんのアパート近くのごみステーションには相変わらず8時半前にやってきているので油断は出来ない。
できればごみ袋の表示どおり8時半以降に来て欲しいのだが、そして夏はなるべく早く回収に来て欲しいのだが、それって行政に言うべきことなのか、それともごみの業者に言うべきなのかどっちなのかよくわからない。
どうもごみ収集業者は市ではなく、民間の会社のようなので余計わからない。
仕方ないので約束の時間は忘れることにして、8時過ぎたらごみを出すことにしたぶどうであった。