結婚以来賃貸住宅に住むぶどうさん。
賃貸住宅というと聞こえはいいが、立派なものではなく、築後30~40年経った、ただの昭和のアパート。
設備は悪く、いまどきそんなものもないの?もしくはどうしてそんなところにそんなものがあるの?という住まいである。
さすがに風呂や床、サッシなどチョコチョコと更新はなされており、住むのには問題ない。
若い人にはちょっと気の毒ではあるが、昭和の女にとってはこの造りに違和感は少ない。
というわけで、そこまで住まいに悲壮感はない。
カビ地獄などはこの際置いておこう。
ないのだが、やはり古い。
古くて汚いアパートをよりよく見せるために、インテリアセンスのないぶどうさんは一時期風水にはまった。
どの方角に何色とか、鏡とか、龍の置物とか・・・まではやらなかったが、結構凝ったと思う。
けれどどちらかとういうとモノをおいて運気アップの考えよりは、住環境を良くして人生の運気を上げるという風水の考えがぶどうさんのシンプルライフ道にぴったりきたのだと思う。
モノ減らしや収納、使い切って買い替えなどに加速がついたきっかけとなった。
それまでは呆れるほど物持ちがよく、処分するきっかけがなかなかもてなかったが、風水のおかげですこしはすっきりしたと思う。
で、モノを買う方面はあまり・・・・といったが、実を言うと風水に感化されて買った物がいくつかある。
その中の1つが玄関マット。
それまでぶどうさんちには玄関マットはなかった。
何しろ昭和のアパートであり、せまっくるしい上がり口に玄関マット!だなんてお笑いだと思っていたから。
おまけに汚れるし邪魔だからと流しの前にキッチンマットさえ置かなかったのだから、玄関マットだなんてとんでもない。
掃除の度にどけるのは手間だし非効率的でさえある。
それでも買った理由は、「外界と中を分ける役目がある」とかなんとか本に書いてあったから。
買ってみたらなんとなく良いような気がしたし、少しは昭和のアパートの見栄えが良くなったかもと思った。
けれど、今となってはただ邪魔な存在と化しつつある。
マットが古びたからではない。
もう風水にはまっていないから、でもない。
床を拭くのを習慣にするようになっていちいちどけるのが面倒なのと、スリッパを並べておける場所に困っているからだ。
うちにはスリッパラックがない。
スリッパは家人分しか置かないからラックの必要がないのだ。
履いているスリッパは上がり口に並べているが、マット上におくわけにいかずマットの脇に置くことになる。
なんだかごちゃごちゃ見えて仕方がない。
じゃあ、捨てたらいいのだが、今の住まいの玄関の上がり口の木材がなぜか傷んでおり、マットが無いと貧乏たらしくてみっともないのである。
マットがあったらあったで、まあ見栄えはマシになる。
その代わり掃除のときやはり邪魔である・・・・・
このマットを処分するか否か、見るたびにため息が出る。
そんなら捨てたらいいのだけれど、見栄えを考えると、ねえ・・・・
次の引越し先も恐らく昭和のアパートだろう。
そこがここよりひどいのかどうかはわからないが、ここをでていく時には是非に捨てていくつもりだ。
それまではがんばってもらうことにしようと、割り切ることにしたぶどうであった。