子供がいないぶどうさんち。
結婚以来ずっと二人暮らしでかつ最近まで兄弟にも子供がいなかったため、子供に関することはずっと関係なく暮らしていた。
地域社会においてもそうで、学校行事や近所の子供たちに関することについてはノータッチ。
けれど北国に来て、小学生のお子さんのいる家庭のお母さんとたまにお話しするようになり、その時にベルマークの話が出た。
なんでも、小学校では親がいろんな役を引き受けるとかで、そのお母さんはベルマーク委員をやっているのだとか。
ベルマーク。
なんて久しぶりな響き。
そういえば小学校の頃にベルマークを集めて持ってくるように言われたっけ。
その後それをどうしたのか・・・は知らないが、親が集計しているということは聞いた事があったような。
でもベルマーク委員ということばは初耳だ。
月に一回3人くらいの委員が夜に集まって集計するのだとか。
昨今は共働きも多いからか、お昼間にはできないのだろう。
そのおかあさん曰くベルマークを集めるのに苦労しているらしく、それならとぶどうさんもベルマークを集めることにした。
集めることにしたのだが。
これがなかなか見つからない。
昔はどの商品にでもついていたように思うのだが、社会が裕福になって備品を買ってもらえるようになったのか、ベルマークが下火になったのか、どれにでもついているというわけではなさそうだ。
あまりに見当たらないので、思い余ってベルマークについて調べてみることにした。
すると、ベルマークと言っているものは、ベルマーク教育助成財団が企業とPTAと一緒になって活動しているものであるということがわかった。
企業といっても協賛会社と協力会社があり、ベルマークは協賛会社の商品につけられるものなのだと始めて知った。
その協賛会社の全部ではなくある決まった商品にベルマークはつけられ、1点につき1.25円のお金をその会社から寄付してもらうらしい。
そのうち1円がPTAに、0.25円がベルマーク財団に入るというしくみ。
ん?じゃ、協力会社ってなにって?
PTAが備品を購入するときどこからでも買っていいという訳ではなく、この協力会社から買うことになるようだ。
財団に指定された協力会社は、売り上げの10%をベルマーク財団に割り戻すらしい。
・・・つまり、お金の入り口は必ずベルマーク財団なのだ。
協賛会社はベルマークがついているからという理由でぶどうさんのような家ではなく子供のいる家庭の父兄に買ってもらい、協力会社はベルマーク財団の指定業者としてPTAによって商品を買ってもらう。
ベルマークが集まらなければ協賛会社はただ売り上げが伸びるだけ、協力会社は指定業者としては機能しない。
ただの会社のまま。
こうかくと、うまい汁を吸っているようにみえるのだが。
実は協賛会社も協力会社も年間約300万~100万のお金を財団に参加費用として納めなければならない。
企業にとって300万円というお金がどういう負担か、ぶどうさんにはわからない。
わからないけど、そのお金があればパート一人雇えるなあなど思ってしまう。
戦後考えられた社会支援のひとつの形なのだろうだが、なんだかエラク不思議な支援方法だなあと思うのはぶどうさんだけだろうか。
そして、肝心のベルマーク対象商品はというと。
あんまりぶどうさんちが買わないような商品ばかりであった。
子供のいる家庭が買いそうなものが多く、生協や自然食品店で扱っているようなものには殆どついていなかった。
ぶどうさんちではキューピーマヨネーズもサトウキビのさとうもソントンのジャムも買わないしね。
無理して買うことはないので、結局集まったのは数枚だけという情けない結果になった。
堪忍なあ、ご近所さん;人;
そして仕組みを調べてみて、ベルマークという形の社会支援というものが、いいのか悪いのかさっぱりわからなくなったぶどうであった。