近頃いいな、と思ったことば。
「堪忍;かんにん」
具体的にはかんにんえ、とか、かんにんなという風に、京都や関西方面で使われている言葉。
現在ではあまり使わないそうで、しかも「こらえてね、許してね」という意味あいよりも「気を悪くしないでというときの軽い」意味合いで使うのだとか。(違ったら教えてくださいね)
この堪忍という言葉は、言葉だけあって生き物で、使われる状況や言い方、感情のこめ方、抑揚で意味が変ってくるようだけど、あくまでも基本は「耐える、忍ぶ、許す」ということらしい。
堪忍よりは勘弁の方が今の時代使いまわされていて、堪忍は関西の人にとっても古臭い、もしくは会話の中でポンポンとやり取りするだけの、軽い意味合いでしか用いないようだ。
それでもいいな、かんにんってことば。
この言葉がするっと口から出てくると、人との摩擦なんて最小限で済むだろうし、謝り損ねることもないだろう。
お気の毒に思っているという気持ちを同情まがいの言葉を使わずに伝えることが出来るし、思いやりも伝わりそう。
さすがに関西出身ではないので「かんにん」という言葉は使えないけど、なにかこれに変る言葉がないものだろうかと考えてみた。
ごめんね、申し訳ない、許してね、すまなかったね、・・・
なんだか適当な言葉が見つからない。
「堪忍かんにん」
人との間に潤滑油のような働きをする言葉。
こんな言葉を古臭いなんて葬り去るなんてもったいないな。
勘弁とは違った、柔らかい響きと思いやりやいたわりを持った言葉であるかんにん。
ちょっと使ってみようかな。
人から笑われたっていいじゃない。お国言葉の語彙になくたっていいじゃない。
気持ちが伝わる、素直になれる、お互いを思いやれる言葉を持つことは、宝を持つようなもの。
そんな言葉をもっともっと身につけようと決めたぶどうであった。