そのお皿は、フチにレトロな絵柄のついたディナー皿。


レトロ趣味は全くないぶどうさん。いつもなら興味は示さない。

いけれど、その絵柄に心魅かれたというか見覚えがあるような気がしたのだ。


実際に見た、というよりは、タイトルは忘れたけれど古い料理本の中に使われていた食器の絵柄に似ている気がしたのだ。


おしゃれだから覚えていたというよりは、ぶどうさん、その本のお皿を見て、フーンこんなの欲しいかも♪なんて考えた、そのお皿に似ていると直感したのだ。


実際、なんとなくレトロで、そしてかわいかった。


欲しいかも・・いや、欲しい。

けどリサイクル品。


使用感はなさそうだけど、絵柄がすれたところがある。

どこをどう見ても買ったか引き出物でもらって、長らく個人の家でくすぶって出番を待ち続けた挙句断捨離ブームに乗っかってリサイクルショップに委託販売されることになったような品。


断捨離に挫折し、片付け最中で、食器棚が満杯のぶどうさんが買っていい代物だろうか。


答は否。


否なんだけど、感情としては欲しい。


お値段も安い。ディナー皿が600円。破格。

100円ショップなら105円で大きい皿はあるけれど、いくら安くても100円ショップの品は欲しくない。


今目の前にあるのはリサイクル品。似たようなものといえば似たようなもの。

でも、もとはまあまあのお値段だったかもしれない。いくらかわからないけど。

600円ならそんなに損でもないだろう。


けれど、それは誰かの不用品。

しかも長く日の目を見なかったもの。

風水的にそんなもん持って帰ってどうするの?(風水オタクでもないくせに)


頭を冷やすべくトイレに行き、考えた末。


やっぱり買った!


こういうのを衝動買いというんだろう。

安物買いの銭失い。


シンプルライフの達人は、迷ったら買わないらしい。

迷ったけど買ったぶどうさんは、ただの物欲人ってことなのだろう。


なんにせよ、物欲に負け買ってしまったのだ。

買ってしまったからには、使わなきゃ損だし、使ったらしまわなきゃならない。

うーん頭が痛い。


帰宅後、そのお皿のメーカーを調べてみた。

そもそもいくら位の品だったのか知りたかったという卑しい気持ちだけでなく、今でも販売されているのか知りたかったからだ。


残念ながら同じシリーズ名の皿はあるものの、デザインがまるっきり変わっていた。

いくら調べてもその絵柄のお皿は出てこないどころか調べることすらできなかった。

製造年代がわからないくらい古いものだったのだろうか。


食器は口に入るものを盛り付けるもの。

新品じゃなきゃと考えていたぶどうさんだったのに、とうとう禁断のリサイクルショップの、誰かの家で日の目を見なかった食器を衝動的に購入してしまったことに軽いショックを受けている。


なんだかここでもハードルが1つなくなったようなきがした。

こうなったらいつか骨董市なんかに行ってしまいそうだ。


そうすると、ますますものが増えるのだろうか。恐ろしい。

まずは今あるもので間に合わす、新しいものは考えてから買う、食器は新品を・・・・・という決め事をしっかりと心の中でしなければなるまい。


でもこの田舎に何であんなのあったんだろう。

田舎のリサイクルショップのほうが掘り出しものがあるのかも・・なんて、ちょっぴり誘惑にかられてもいるぶどうであった。