新しい玉子焼き器で玉子焼きを作ったぶどうさん。
丸いフライパンで作ったオムレツのように膨らんだ形ではなく、四角く端正な形に感動。
きれいに焼けた断面と、揃った太さ。
ああ、買ってよかった・・・
弁当に入れるときの喜びもひとしお。
なにしろ、大きさが揃っているのである。
ぶどうさんの弁当は玉子焼きがメインディッシュ(?!)、おかず入れの中で大きな顔をしてもらうためにも玉子焼きの体裁が非常に大事なのだ。
かくして弁当生活に、新顔玉子焼き器は毎日活躍中である。
さて、活躍は良いとして。
問題は玉子焼きの味である。
ぶどうさんは、実はおいしい玉子焼きを食べたことがない。
巷では甘い玉子焼きが王道の味らしいが、あまいおかずが好きじゃないぶどうさんは甘い玉子焼きが嫌い。
だからぶどうさんちの玉子焼きは、砂糖は入っているもののそんなに甘くない。
実家では、比較的甘い玉子焼き。
出汁巻きは父が好きでなかったので母は作ることはなく、食べたことがなかった。
ぶどうさんちでも出汁巻きは作らない。味になじみがないからだ。
ずっと以前デパートで高い玉子焼きを買ったことがある。
みながおいしいといって買うのだろうけど、それを食べたとき、ジュクジュクしておかず臭くてそれでいて味が薄い、すごく変な味だと思った。
今思えばそれが出汁巻きだったのだろう。
それ以来玉子焼きを買ったことはない。
そんなもの買うくらいなら、自分で作ったがマシ。
高い卵を買ってもおつりが来る。
そう思っていたのだが・・・
料理修行をはじめ、弁当を作るようになって、毎日玉子焼きを作りながら、果たして一体玉子焼きってどんな味なのかだんだん疑問を持つようになってきた。
分量を量らなくても、どんなに適当に作っても、ぶどうさんが作ればぶどうさんの味にしかならない。
いつも同じような味にしかならないのだ。
これは、どういうことだろう。
いぶかしく思ったぶどうさん、玉子焼き上手への道を歩み始める決意をしたのだった。
つづく