弁当生活を何とか続けているぶどうさん。
早起きが苦じゃないといえば嘘になるが、目覚ましが一度なるかならないかで目覚めて仕事を始めるということにだんだん慣れてきた。
仕事。そう、弁当作りは仕事なのだ。
軌道に載るまではなんとかムチ打ってでもがんばるぞ!という気合充分、やる気充分。
弁当に熱を入れている一方で、この頃は夫に持たせるおやつが疎かになってきた。
早く出勤して遅く帰るサラリーマンの夫は、勤務時間が長すぎて食事の間があきがちだ。
その隙間を埋めるための食料としてのおやつと飲み物が、弁当とともに毎日欠かせない。
おやつはなるべく市販のものじゃなく手作りのものがいいというのが夫の意向。
昔はぶどうさん手作りのパンやお菓子なんて鼻にもかけなかった人が、なんという変わりようだろう。
そのわけは、ぶどうさんの手作りお菓子がすごくおいしくなったから・・ではない。
夫は意外に健康オタク的なところがあり、市販のお菓子の、おいしいけれど体に重いという感じが年とともに負担になったこと、田舎なのでおいしいお菓子屋さんがないから諦めた末の結論のようだ。
ぶどうさんが作るお菓子としては以前は洋菓子、とくに持たせやすい焼き菓子が多かったし、材料も結構贅沢なものが多かった。
バター、卵、生クリーム、チョコレート。
おいしいけど体に良いか悪いかわからないものを使ったおやつ。
夫はこの手のお菓子が好きだし、出張に行ってはデパートのたかーい500円以上もするケーキを2つも買っては一人でホテルでむしゃむしゃ食べるような甘い物好き。
・・・ぶどうさん、500円を超えるケーキなんて食べたことないのに・・
洋菓子が好きで、そして無類のあんこ好き。
たい焼き、まんじゅう、どら焼き、羊羹、ぜんざい、最中などなど、あんこものが大好きなのだ。
年とともにそういったものがより好きになるのか、それともお茶のみじじいになりつつあるのか(昔から茶のみ坊主だったが)あんこを要求することが多くなった。
それがあって近頃はもっぱら饅頭やどら焼き、餡入り蒸しパンなどを作ることが多い。
饅頭やどら焼き、蒸しパンは材料がシンプルだし手順もそうなくて手間だけちょっとかかるという、洋菓子ほど肩肘張らなくて出来るところがいい。
しかし。
失敗すると恐ろしい目に遭うし、できたものがおいしいかまずいかなどさっぱりわからないところが難点だ。
何が成功かわかりにくいし、失敗の原因がさっぱりわからないと、もう作りたくなくなってしまう。
最近あんこ系のお菓子で負けが込んでいるので、気分一新ロールケーキかシフォンケーキでも作ろうかと夫に聞いてみた。
すると。
「饅頭にして。卵はもういらん」
取りつく島もなくあっさりとケーキを拒否されてしまった。
しつこいぶどうさん、なぜにケーキは嫌なのか聞いてみたところ、どうやら毎日の弁当に入っている玉子焼きが問題だったらしい。
「玉子焼きで充分卵を食べているから、もう卵はいらん」
なんと、ぶどさんの手抜きのためにどーーーーんと3切れも入れている毎日のメインディッシュの玉子焼きがこんなところで災いするとは。
卵のコレステロール過多神話は今は修正されていて、一日2個までは大丈夫だよ~といいたかったが、確かにこう毎日玉子焼きばかりたくさん食べてたら嫌になって当然かも。
ケーキを作りたければ玉子焼きを減らすかほかにちゃんとメインディッシュを入れておかなきゃならんのね・・・と、どっちがより手間がかからず且つぶどうさんの欲望にも適うか、つまらんことを天秤にかけるぶどうであった。
うーん、でも今日はチーズケーキかガトーショコラを作りたいぞ。