インドカレー、レトルトカレー、固形カレールウ・・・・
本場の味から工場の味、そして家庭の味へと変化しているこの流れ。
確実にぶどうさんの家庭の味へと近づいてきた。
けれど、悲しいかな、固形のカレールウを久しぶりに使ってみて、これはいかんな、と思ったことがあった。
それは、ずばり、原材料。
固形カレールウの原料を見るとわかるが、固形ルウはうまみの宝庫というよりは脂と小麦粉の塊。
そのうえ食品添加物や化学調味料類が入っている。
野菜といえるものがどれ位入っているのか、食物からのうまみといえるものがどれ位入っているのか見当はつかないが、脂と小麦粉と食塩と糖類が大半を占めるのはわかる。
カレーと呼ぶには相応の香辛料が入っているはずであるが、固形ルウとは香辛料自体ではなく、香辛料を旨みの素とともに脂ととろみをつける粉類で固めたものであることがはっきりわかる。
つまり少ない香辛料でも立派にカレーの味とにおいになるもんだ、ということ。
固形カレールウの味は、食べたときは普通の味と思えないでもないが、後味はかなり悪い。
いつまでも脂が口と体に残り、喉が渇く。
なにより、固形にするために常温で固体の脂を使っているため、消化に悪い。
消化に悪いと思うのは個人の感想だけど。
このルウに含まれる固体の脂というものが非常に厄介で、作った鍋肌、かき混ぜたお玉、残ったカレーの表面、そしてカレーを盛った皿に厚く、ときに薄く固まって非常に後片付けが面倒。
レトルトカレーの場合には皿だけで済んだ脂をふき取る作業が、調理器具にまで及ぶことになった。
レトルトカレーと似た味だと思ったゆえんは香辛料の香り系統が似ていることではなく、脂の味だったのかもしれないと思わずに入られなかった。
カレーの味は、脂の量と種類で違ってくることには気がついていたが、まさにそれを確認した瞬間であった。
料理が完成するまでに手のかからなかった固形ルウのカレーであったが、料理の後片付けの段階でこれほど手がかかるとは。
脂の種類と質、後味、そして添加物の有無を思えば、固形ルウが魔法の調味料であるとは、言いがたい。
しかし、ブイヨンやカレー粉、小麦粉や野菜の旨みみたいなものがぎゅっとその中に詰まっており、それさえあれば家にいつもある材料でおかずが出来上がるのである。
しかも、味は一応万人むき。
ストライクゾーンにはまるようにできているといってもいい。
その完成度はすばらしいと思う。
調理の手軽さと、一箱に詰まっている可能性みたいなものを考えれば、決して悪いものとはいえないけれど。
試したことのないルウは沢山あるしわくわくするものの、あの脂を考えるとどうも気が退けてしまう。
もう一箱残ったルウは、どう使おうか。
手抜きのために取っておいてあっさりそのまま使うか、それとも自己流カレーに隠し味として用い使い切っておさらばするか。
なんにせよ脂との戦いは残っているのである。
いやいや、ぶどうよ、いついかなるときも料理を楽しまなくちゃいけないよと声がする。
それなら。
・・・やっぱり手抜きのために取っておいたほうが得策かもしれないと、計算高く結論を出したぶどうであった。
ところで、カレーづいたゴールデンウィークでおいしいカレーとはなにかと考えてみたのだけれど。
母親が作ったカレーが一番おいしいと気がついた!
なーんだ、そうだったのかあ。
ぶどうさんのお母さんのカレー、手間と材料がものすごくかかってたもんね!
材料ケチっているうちはおいしいカレーなんてできないもんなんだねー。
それをカバーするのがメーカーが研究しているカレールウかも。
いいカレールウがあったら教えてくださいね~byぶどう