食べるのが好きな割には、お料理はやっつけ仕事のぶどうさん。
お料理はマンネリ、いつまでたっても料理の腕前は初心者マーク。
やっつけ・・・といっても、そんなに雑にしているわけではない。
一日のメインイベントは夕食時。
一応平日は何品かは作っているつもりだ。だが、どうも納得できない。
ぶどうさんは専業主婦。しかも子供はいない。
平日は、とにかく大人の身の回りのことだけやればよく、掃除と洗濯それにご飯を作ることだけが仕事。
なんと楽ちんな生活をさせていただいていることか。
だんなさま~ありがとう~。
たったそれだけすればいいのだけれど、要領が悪いのかなぜか予定の半分もしないうちに一日は過ぎてしまう。
けれど、夕飯の時間は確実にやってくる。
夕飯は、仕事で疲れて帰ってくる夫へのねぎらいをこめておいしく、ご馳走にせねば・・・・と思う。(思うだけ)
よって結婚以来、食事というものは審判の時という思いが強く、緊張してしまう。
夫が怪我もなく病気もなくずっと元気で長生きするためには、私が作る食事はとても大切なもの。
・・・・と頭ではわかっていても、並んでいるのはマンネリ料理。
うーーーーん。
なんとかならんものか。
ぶどうさんは、じつはあんまり考えて料理をしない。
買った食材を加工しておかずを作るという作業をしているだけに過ぎないのだ。
その原因は、献立を立てて計画的に食材を買わないこと。
安いから~好きだから~あるから~あると便利だから~、スーパーや産直にあったものをテキトーに買う。
だから作るものが同じ、マンネリ、そのうえ何の本も参考にしないので調理方法が同じ。
さらにぶどうさんは怠惰極まりない。
たとえ本を見ても、ないものはあるもので代用するし、そもそもない材料をスーパーに買いに行ってまで料理はしない。
ご近所の奥さんが毎日食事を作るのに本を見ながら、食材がないならその足でスーパーに買い物に行くといったのには、心底驚いてしまった。
・・・え?ぶどうさんって、変?
もしどうしても欲しい食材があったら前もって買っておくし、当日に、その場でないからと買いに行くなんてぶどうさんには考えられなかったのだ。
そこでぶどうさんは考えた。
マンネリやっつけ仕事を打破するためには何が必要かを。
そもそも料理って奇想天外なことをするわけじゃない。
形が全く変わったものを作るわけじゃなく、加工作業。
材料から全く形状の異なるものを作り出すお菓子作りを化学変化とすれば、お料理は状態を変える物理変化(無理やりな説明だなー)
だから、下手なことすりゃまずいという以外、よっぽどのことがない限り失敗することはない。
それに比べてお菓子作りはまずい上に失敗がある。
失敗すればお財布にも心にも打撃が大きい。
それゆえお菓子作りでは必ずレシピ本を熱心にみて、配合を比べ材料をそろえて作る。
その視点がお料理つくりに全く欠けていたことにようやく気がついたのだ。
なんたること!
お料理の本を見ながらその通りに作るなんて創造のかけらもないとして屈辱だとさえ思っていたが、全くそれは大きな勘違いであり、料理上手への道にとっては遠回りになってしまっていたことにやっと気がついたのだ。
夫に料理を作るようになって20年近く。
無為にむなしく過ごしてしまった、この年月をどう取り戻すか。
ぶどうさんの挑戦は始まった。
・・・・そう、はじまったばかり・・・