夫に携帯電話をねだられているぶどうさん。
買ってやるべきかなー、どうかなーとちょっと考え中。
それというのも、夫には会社で持たされている携帯電話があるのだ。
平時が続いているなら、会社の電話なんかいいじゃんってことなんだけど、先月の地震以来非常時が続いている。
常に持ち歩かねばならないのだ。
女性ならともかく男性の場合バッグなどを持ち歩かない。
同時に2つも持ち歩けないだろうし、持ち歩いたら多分・・・どっちかなくすだろう。
そう思ったら、躊躇してしまう。
私の携帯は、夫名義の携帯。
これを契約したときは、当時長期出張の多い夫との連絡を取るために2台購入した。
何年か使ったが、会社から携帯を持たされたときに解約した。
そのときはそんなに出張はなかったから。
ここに来て夫が自分の携帯を持ちたいといったのには訳がある。
それは、非常時に何が起こっているか、知るための道具にしたいらしいのだ。
そして、これを機会に肉親と頻繁に連絡を取りたいらしい。
気持ちはわからないでもない。
地震後、私が住む地域は停電し約2日ほどそのままだった。
情報はラジオしかなく、電池の問題でラジオもあまり聞けなかった。
とにかく、今何が起こっていて、これからどうなるのか、情報が知りたかった。
とくにこれからどうなるのか、ライフラインの情報はまるで雲をつかむような話であった。
こういうことをどこで入手すればいいのか・・・防災無線はながれるものの、さっぱり聞き取れず、ただ淡々と待つしかなかった。
電気がないので電話が使えず、地元じゃないためどこに公衆電話があるのかわからない。
携帯電話は電池がなくてつかえず、もし電池があっても基地が使えなかった。
噂によればワンセグだとテレビがみれた、と夫は言う。
けれどそのテレビで津波の映像と東京からの発信情報は流れても、地元のことは流れていなかったと思う。
そういう災害時に必要なのは、まずは自分がいるところの情報だけなのだ。
私の携帯は、たまたま地震発生の時電池が切れかけていた。
充電しなきゃなあと思っていたところに地震と停電。
しかも地震直後から携帯電話は使えなくなった。メールも入らない。
携帯電話、特にメールがまとも使えるようになったのは、翌々日の夜からだった。
通話は、それでもまだ圏外が多かったように記憶している。
それで思ったこと。
携帯って、平時には便利でお役立ちだけど非常時には何の役にも立たないということ。
何の役にも立たないといってはアレだが、電池がなければ使えないし、中継基地が使えなければ使えない。
私のように通話とメールだけのような原始的な携帯の場合、ネットにアクセスできなければ情報があっても引き出せない。
・・・そもそも電池がないとできても無理だね。
そういうわけで、あの地震以来携帯電話というものへの見方はよりクールなものに変わった。
平時の便利なおもちゃ、そういう位置づけに変わったのだ。
友達との待ち合わせができるのも、近況を伝えられるのも、何もない安全なときだけだから。
そういうときのツールであって、災害時にも頼れるやつだなんて、決して思えない。
ただ、夫にしてみれば平常時の交流手段としても欲しいということだから、まあそれならいいかな、と考え直したりもしている。
生きて元気な時にだれかと心の交流をすることは、いいことだから。
携帯1台でちっともプランの見直しをしていなかったけど、2台になるならこの機会に見直してみよう。
ついでに新しい機種にしちゃおうかな♪と便乗することを忘れない、ちゃっかりもののぶどうであった。