豆乳ヨーグルトを初体験したぶどうさん。


衝撃の味に絶句し、ここに至るまでの険しさの意味はこういうことだったのか!と納得し大いに落胆した。


しかし、そこはほれ。

断固拒否した夫の「それみたことか」という見方と好奇の眼差しが妙に悔しい負け惜しみ女。


しばしの無言は敗北を意味する。

すかさず立ち上がり、おもむろに冷蔵庫に向かった。


そのわけは。


変な所で用意周到な女ぶどうのこと。

豆乳ヨーグルトがまずかった場合をちゃんと想定しており、豆乳ヨーグルトに合う甘味料というのをチェックしていたのだ。


豆臭いものにはジャムなどよりはメープルシロップや黒蜜があうという意見に従い、メープルシロップを思いっきりかけてみた。


すると・・

食べられないことはない。

メープルシロップの味が嫌な感じをすべてカバーするではないか。


そこで夫に、意外においしいよと告げると、敵もさるもの。


「それ、ヨーグルトの味じゃなくて、ただのメープルシロップの味じゃん」


くーーーーーっ、見透かされていることに腹が立つやら情けないやら。

これはもう、夫は絶対に食べないに違いない。

そして私も・・・なくなるまで毎日どんぶり一杯食べて、二度と作るまいと心に決めた。


翌日、ちょっと重い心で冷蔵庫を開き、豆乳ヨーグルトの様子を見てみた。


いうほど水分の分離はなく、牛乳のヨーグルト並みの水分の浮き具合だ。

おそらく大豆の固形分の量が多いと、それほど水は出ないのだろう。


そして、水分の下の固形ヨーグルト部分は、固めの充填豆腐くらいほどもかたい。

殆ど豆腐だ。

これで酸味が全くなかったら豆腐といっても疑われないだろう。

甘味料よりは醤油でもかけて食べたほうがいいのかもしれない。


前日の衝撃が残ったままではあったが、そのまま捨てるわけにも行かない。

一人のお昼ご飯が絶好の試食どきであり、どんぶり一杯お約束~を決行することにした。


何をかけて味をごまかそうか、そんなことを考えながら口に運ぶと。


ラブラブラブラブうんま~~~~~いラブラブラブラブ


なに、一体何が起こったの?といいたくなるような、そんなうれしいサプライズ。

何もかけずに一気にたいらげ、次にきなこ、粉末青汁をかけておかわりする始末。


豆乳ヨーグルトばんざーい!大成功じゃないか~!


一晩で大変身を遂げた豆乳ヨーグルト。

一体前日のあの激マズはなんだったのか。


恐らく充分に冷えていなかったため豆臭さがもろに味覚を直撃しこと、初めての味で心の準備ができていなかったこと、そして味が落ち着く時間が必要だったのだろう。


なんにしても、そのままでおいしいのだ。


気になるお味は、酸味がすこーしと、マメと言うよりはきなこのような、ナッツのような香りのあっさりしたゴマ豆腐っぽい味である。

酸味のあるゴマ豆腐なんて想像がつかないけれど、表現としては一番近いのではないかと思う。


こんなにおいしいなら、別に夫に食べてもらわなくっても構わないどころか、独り占めしよう!


すっかり豆乳ヨーグルトの味のとりこになり、欲深いことを考えるぶどうであった。


めでたしめでたし。