夫の休日出勤を見送ったぶどうさん。
この機会を逃すまいと、自由人を決め込んだ(←あんた、いつもですがな)
ネットで遊び、掃除に精をだし、ご褒美のお昼を食べ、早いお風呂に入って洗濯三昧夕方昼寝。
ああ、楽しいなあ。
しかし、夕飯の後重大なことに気がついた。
明日のおやつがない!
これは大変なことになった。
明日は日曜、ダーリンとの楽しいお茶の時間におやつがないなんて、週末が台無しだ。
うっかりしていた・・・のは嘘で、もうないなあと思いつつ食べつくしてしまっていたのだ!
確信犯め・・・・
まあ、このことは黙っていればわかるまい(いえいえ、きっとバレますって)
明日かわいく「お茶菓子買いに行こうよ~」などと言えば、ダーリンはいちころさっ。
頭の中で誰かとの問答と妄想は突っ走るのだが、現実に立ち返ってみれば淡い夢であることに否が応でも気づかされる。
ははは、ここは田舎、おいしいお菓子屋さん、近くになかったんだった!
しかし、そこは自由人を決め込んだだけある女。
日がとっぷりと暮れた午後8時、おもむろにケーキを焼こうと思い立った。
夫がいるときは確実に忙しい時間。
今日はフリー!
こういうとき便利なのがレシピサイト。
普段は使わないのだが、今日は自由人なのだ。
自由に検索して手軽なものを見つけて、自由に作るのがスジってもんだ。
程なくあたりをつけ、いそいそと支度に取り掛かった。
自由人って良いなあと自由を満喫しながら。
このゆるさがウンのつきか。
仇となって帰ってくるときがきた。
とりあえず冷蔵庫の卵を4つ、大きさを見ながら手に取った。
何を思ったか、ふと気がつけば片手に3つの卵を持っていた。
当然のことながら手からあふれたひとつの卵は、敢え無く重力に従いコマ送りされながら床ではじけとんだ。
べっちゃーん。
ああああああ、桃小町がああああ・・・・・・!!!!!
心の叫びむなしく回収しようもないくらいぐちゃぐちゃの卵が足元を濡らしたのに動揺し、思わずもう片手の卵を冷蔵庫にぶっつけてしまった。
ああああ!またしても~~~~~~!
頭の中は桃小町1個16円の小銭の音がちゃりーんちゃりーーんと反響し、今またもうひとつダメにという局面・・・
これはいけない。
2度あることは3度ある。3度目はなしにせねば。
まだ傷は浅いと心を奮い立たせ、気を取り直してバターをレンジにかけた。
これからは失敗は許されない。
・・・・・・けれど失敗は続いた。
バターは設定温度を間違い溶かしバターとなり、小麦粉はボウルに入らずテーブルに散らす始末。
この失敗で手順や手法の変更を余儀なくされ、卵の動揺は、次々に新たな失敗を生み出し続けた。
やっと完成にこぎつけたかに思えたケーキは、むなしくも仕上げのトッピングを忘れた坊主姿のままオーブンからコンニチハ。
がっくり。。。。。。。
自由人の自由な気持ちで作った自由なケーキは、自由すぎて間抜けな姿とあいなったのであった。
うまくいくのも行かないのも、最後は大団円に終わるのも、秘訣はひとつ。
ああ、はじめが肝心。
緩みきった気持ちからは、たとえおやつといえど緩んで間抜けな結果しかでてこないのだと、改めて思い知らされたぶどうであった。
明日のお茶の時間のおやつは、出かけついでに寄れる菓子屋で饅頭でも買ってこよう・・・・
とほほ