前回の記事で、十得鍋のことを散々に書いてしまった。


誤解を招いてはいけないので、十得鍋について書いてみたい。


十得鍋は日本のメーカー宮崎製作所さんで作られている。

立派に MADE IN JAPAN であり昔からあるメーカーだ。


そもそもクリステルか十得鍋かと悩んだ理由は、ずばり収納性だった。

狭い台所にコンパクトにしまうことができ、かつ美しいもの。


私は金属のものが大好きで、そういったものに美しさを感じてしまう。

デザインと、見た目同じようだが素材はクリステルが上だ。残念だけど・・・・


素材は、十得鍋(ジオも)鍋の内側部分が18-8ステンレスであり、クリステルは18-10ステンレス。

仕上げの違いかと思っていたが、クリステルのほうが素材がいい。

なるほど、高級感があるわけだ。


それでもクリステルを選ばなかった理由がある。


クリステルの場合、底面が多層になっておりわずかだが継ぎ目の段差がある。

また取っ手が外付けなので、そこにも継ぎ目段差がある。


長い年月ちゃんとお手入れする自信がある人ならその部分は全然問題ない。

けれど私の場合、適当に洗って拭くだけなので、長い時間の間にどうしても継ぎ目に汚れがたまっていくだろう。


そのことは実は実証済み。

シャトルシェフを10年以上使っているのだが、底面多層内容器は見事に継ぎ目と取っ手部分に磨いても取れない汚れがついている。

シャトルシェフの保温調理という特性上、この汚れは致し方ないのだろうが、おそらく、クリステルでもやらかすに違いない。


一方、一体成型の十得鍋はこの問題が全くない。

どこにも継ぎ目や段差がないためつるんと洗えてつるんと拭ける。


鍋のつばのような部分がとても邪魔だが、この形状でも液ダレなく注ぐくことができる。

鍋全体が入れ子とならず、このつばの部分が引っかかるため、上から出し入れしやすい。


なにより全面多層なので、短い時間ではあるが保温調理可能。

多少調味料がはねてもそこに焦げ付くということは基本的にはない。


現在私はガスを使用しており、恐らく将来も調理だけはガスを選択するので全面多層はとても重要なのだ。

もしIHを使っているもしくはその予定があるなら、底面多層も効率がよいだろからクリステルでもいいのだろうが。

火を使って調理するほうが体によさそうなので、できる限りガスにしたいし。


結局、値段で決めたと思っていたのだが、いろんな点でクリステルを選ばない理由があったのだ。


十得鍋を使っての感想は


一長一短って言うところか。


十得鍋は強火が要らない。というよりできない。

それほど強い火で加熱したわけでもないのに、最初の一回でなべ底にステン焼けができてしまったのだ。


初めてだったから失敗したんでしょう?と思われたろうが、さにあらず。

鍋はついつい使いやすい大きさのものばかりを使ってしまうため、使っていなかったものがあったのに気がつきはじめて使った、そのときのこと。


一番大きい鍋でも一番小さい鍋でもない、2番目に小さい鍋。

一番大きいのも小さいのもとても使用頻度が高かったのだが、中途半端な2番目に小さい鍋は使っていなかったのだ。

普通、大きかったり逆にちいさかったりしたら火力の調整が強すぎた。。。という失敗もあろうが、そうじゃないのになんでなの?と疑問だらけ。


この一件以来十得鍋を使うときは火力にとても神経質になったのは言うまでもない。


鍋の汚れ落ちはいいのだが、ステンレス特有の汚れ、虹色になったり白くなったり・・・・がでやすく、とても目立つ。

すぐに拭かないと水滴も残ることがあるし。


私はあんまり気にしないので放っているが、ピカピカにして置きたい人にはどうかな、と思ったりする。

しかし心配御無用!

宮崎製作所さんは有償ながら新品同様に磨きなおしをしてくださるそうなので、将来頼もうと密かに思っている。


十得鍋でとても気に入っている点は、コンパクトさだ。

取っ手がないということがどれほど楽なことか。


鍋を買った当初は、残り物をより小さい鍋に移し変えるということをしていた。

冷蔵庫で場所を取らず、必要なときにさっと加熱ができる便利さといったら。

(しかし、鍋が傷むし、使いたいときに鍋を使えないのでこれはやめることにした。)


ガスレンジの上で2つ並べてもすっきりしているし、調理済みのものが入った鍋をいくつかテーブルに一時置きしても場所をとらない。


なにより後片付けが楽。

食器感覚で洗えるし、洗った後洗いかごに重ねて入れられるのだ。


料理のお味は・・

この点はよくわからないが、無水もしくは少量の水分で茹でものや煮ものができるため時間と光熱費は確実に助かっている。


なにより新しい鍋はたのしいし、使ってうれしい。


物のよさも悪さも、使ってみてはじめてわかるもの。

十得鍋がこんなに使勝手が良いとは思っても見なかった(ステン焼けが嫌で火力の調節はストレスなのだけど)


多層鍋で言うウォーターシール(ビタクラフトでいうベイパーシール)も効く。

ただ3層のせいかそれとも鍋と蓋の形状のせいか、ビタクラフトはびっちり蓋が張り付くのに、十得鍋はあっさり鍋蓋があく。

これが私としては便利。


最初はダサいダサいとおもっていたデザインは、見慣れていくうちにぽってりと憎めない感じになり、我が家に溶け込んでしまった。

今では、一番嫌だったあの黒いプラスティックの取っ手がとても気に入っていいる。


この十得鍋、ベターホームからステンレスの取っ手で、お値段もセット内容もお得なものが出ている。

黒い取っ手は・・・というだけの問題の方ならそちらでもよろしいのではなかろうか。


わたしとしては、あのステンレスの取っ手はいただけないので、もし蓋を買い足すとしたら普通の黒いぽっちのやつにする。

劣化するし、黒くて主張するけど、熱くならないし鍋本体のデザインとのバランスがとてもいいから。

ちなみに私の手持ちは16、18、20センチのセットに14センチの鍋を買い、14センチと16センチの蓋を買い足した。


適当に気分によって大きさを使い分けているが、14センチの鍋がとてもいいので2人暮らしなら是非。

味噌汁用にはちょっと小さいが、ちょいと卵をゆでたり野菜をゆでたり、残り物をいれたり(あまりしないほうがいいらしいが)


最後に、取っ手はどうしているの?どうなの?という疑問に応えてなかったのでその点を。


調理中は取っ手は殆ど使うことはない。

ないようが邪魔にならない。


しかし何かに鍋のものを移すときは、必要なときもあるしいらないときもある。

大きい鍋だと重いから、両手を使わなきゃならないため、私は鍋つかみを使っている。

シリコン製のはさむだけの簡単な鍋つかみ(クリステルの鍋カバーよりずっと安い値段で売っている)を使っている。

小さい鍋の移動にも使えるので、ひとつあると便利。


付属の取っ手は、小さい鍋の中のものをよそうとき必要。

鍋つかみではこころもとない。

十得鍋の取っ手は、つけるとき外すとき両手が必要(添えるくらい)でワンタッチではない。

しかし、ぐらつくことなくきっちり鍋を支えることができる。あそびもない。


十得鍋、良いですよ。お勧めです。

収納場所があるなら、そして後片付け大好きなら、他にもよい多層の鍋があるので楽しんで検討してください。


十得鍋に満足といいつつそろそろ次は違う鍋が欲しいなあと、台所用品無駄遣い大魔王のぶどうはつぶやくのであった。




つづく・・・・って誰か読んでるのかねえ。