のっぴきならぬ事情があって、髪を染めた。


なんのことはない、近々久しぶりに両親に会うだけのことなのだが。


小さくて若い娘っこだったはずの私が、会ってみればシミと白髪だらけの四十女だった・・・

と絶句されてはかなわない。


見栄っ張りなところがある私だが、それ抜きに今回は両親をがっかりさせないために渋々染めたのだ。


・・・・なーんかいつもの通りのやっつけ仕事的ではあったけど・・・・


以前2回ほど市販の染毛剤を使ったことがある。


ボンベ入りの2剤を混ぜ合わせるもので、くしに搾り出して髪に塗るタイプ。

これはとっても手軽で便利だった。


何しろ塗って、暫く(20分?)待って洗い流すだけ。

私は部分的な白髪なので、まずはその部分だけ集中して染まればいい。

狙って染めやすい、という利点があった。


また、全体を染めるわけじゃないので染毛剤が残る。

それを次回までとっておくことができた。


時間を置いて染めたので、髪の痛みは気にならなかったが、正直言うと体への害を考えてしまい、しょっちゅう染める気にはなれなかった。


白髪がいよいよ増えても差し迫った行事はないし、帽子をかぶるなどしてごまかしながら染めずにいた。


これから年老いて、白髪頭でも諦めのつく年齢までは染め続けることになったとしたら、それこそ20年、30年に渡り大体1ヶ月単位で染めることになる。


1年10回として、30年で300回!


これはすごい数字である。


美容院での染め代が3000円くらいからなので、トータル90万超!

美容にはお金がかかるのね~


あ、そんな話ではなかった。


それだけの薬剤が体に入り込むとなると、さすがに考えなければいけない。

染めるのをやめて白髪でいるか、そのリスクを承知で染めて若く見せるか。


白髪ってあるだけで老けて見えるので、外見に見栄があるうちは染めようとは思うが、これから先ずっと・・・と思うともうちょっと体に負担がかからないもののほうがいい。


それで、ヘナを試すことにした。

ヘナは草からできている。

うわさではトリートメントにもなるということだったし、昔から使われてきたもののようだ。


言わずもがなだが、合成の薬剤は危なくて自然のものだから体に負担がないというわけではない。

ヘナが私に合わない可能性もあるのだ。


けれど、一度は試してみたかったし合えばもうけもの。

ちゃっかりヘナを手にいれ、いよいよ試してみた。


自分で試した理由は、ヘナをやっている美容院がこの辺にないから。

髪を染めるには時間がかかるし、月一で美容院とお友達なんて考えただけでもうんざりだし。


今キャップをかぶって洗い流し待ちだ。


一人でやったので塗り残しも気づいてはいたが。そこのところはご愛嬌。

うまく染まっていてくれればいいな、と新しい試みにわくわく中だ。


白髪染めなんてすごく年をとったようで気が重い作業だが、美しいマダムライフの一作業と割り切って、がんばってみようと思うぶどうであった。