おのぼりさん旅行では、大切な友人達に出会えたぶどうさん。
人との縁は不思議なもので、きっかけがなんにせよ、生涯に重大な意味を持ったりすることがある。
今回の旅行でのよい出会いに、感謝するばかりである。
そして次に楽しみにするのが、買い物。
北国では、買い物は地場産業の物以外での楽しみがまったくない。
旅先ゆえ買うことはなくとも、みるだけでも楽しみにしていたので、張り切ってうろついてしまった。
元来田舎ものな私はデパートが好きなので、デパートを軸にしてお目当てのお店をめざすことにした。
デパートはともかく、お目当てのお店は東京にしかないお店ばかり。
通販が発達している昨今に、どこにでもあるものや中身のわかったものをわざわざ買うことはないからだ。
そして、3つのお店で実際に買い物をしたわけだが、お店の人の対応の違いに気がついた。
ひとつは、きちんと社員教育をしているお店。
二つは自営で家族経営の老舗のお店。
社員教育をしているお店は、対応が気持ちよく、細かに説明くださり質問にも答えてくださった。
型どおりという面は否めないが事務的な感じはなく、安心して購入できるし又行きたい思わせるものがあった。
一方老舗のおみせでは。
どちらも黙っていても商品が売れる店。
ひとつのお店は対応が事務的で商品を購入するだけ、お金を受け渡すだけで買い物は終わった。
しかしもうひとつのお店は商品購入後の保存の仕方、来てくれたことへの感謝を忘れなかった。
お客様は神様だ、とは思わないが。
楽しみにしてそのお店に来た客が笑顔でいるのに、対応が事務的だとがっかりである。
商品に関する説明や小さな心のこもった言葉がひとつでもかけられると、うれしさと品物に対する自負が感じられ足を運んでよかったなと思う。
名の通った老舗で、たとえ商品がおいしくても、もう一度そこへわざわざ足を伸ばすかどうかわからない。
けれど、もうひとつのお店にはまた是非行きたいと思った。
これはお店だけでなく、通常の生活にも言えることだと気がついた。
たとえ何の気なしにあった人とのおしゃべりでも、常に笑顔と気遣い心遣いを忘れないことだと。
次にその人といつ会えるかわからないし、会わないかもしれない。
会わなかったら期せずして最後のやりとりの印象のまま心にイメージが残り続けることになるのだ。
よって、そのときそのときを気持ちよい態度で人と接すること。
これがおのぼりさんでの大事な収穫となった。
マダムは一瞬一瞬の出会いを大切にする女であるべし