他人の買い物かごの中身をのぞくのは、はしたない。
だから見てみぬ振りをするのだが・・・
いつも山盛りかごの後ろに待っていると、することがなくてついついレジ中の品物を目で追ってしまう。
すると、結構面白いのだ。
このお店にこんな商品があるのか!という新発見をすることもたびたび。
大体、買い物って自分の知っているものもしくは必要だと思うものにしか目が行かない。
新しい商品を見つけたときは、うれしくて小躍りしたくなる。
それでも。
それはそのスーパーに馴れるまで。
馴れてからはお決まりのコースの、お決まりの商品を一通りみて買い物を済ませてしまう。
だからかごの中身はその人の関心のあるものが入っているのであって、私の関心のあるものが詰まっているわけではない。
私が買おうと思わないものを入れていると考えてもいい。
すると行儀は悪いのだが、レジで待っていると見ると無しに目に入ってくるものが、とても面白かったりする。
先日、普通のスーパーで馬肉を売っていることを知った。
冷凍でなく冷蔵の真空パックで馬肉を販売していることなど、全く知らなかった。
肉を食べないので肉売り場に近寄ったことがなかったからだが、牛肉ではなく馬肉を買う人、そして販売する人がいるということは、この地で馬肉が食文化としてあるのだということを示している。
こういう発見は、なかなかうれしい。
そういえば以前鹿肉をすすめられたことがあったのだが、鹿や馬を食べる文化があるとはガイドブックには書いてない。
他人のかごをのぞき見て知ったというのは、あまり恰好の良いことではないけれど。
教えられることの多いスーパーのかご。
いつでもどこでも人生の教科書は転がっているものだ。
マダムはタイミングを逃さない女。どこでもだれでも教えを授けてくれるものと心得るべし